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(写真=spaxiax/Shutterstock.com)

投資は、投資対象に資金を投下し、利益を得ることが目的である。その中でも不動産投資とは、「賃料収入(インカムゲイン)」と「売却益(キャピタルゲイン)」を得ることを目的にした投資である。

「賃料収入」とは不動産の賃貸で得た収入、「売却益」とは物件売却価格から物件購入額と諸経費を引いた額のことである。ともに利益は約束されたものでなく、スキル、努力、不動産市況などによって変動する。

不動産投資の種類

不動産投資の種類は大きく分けて以下のように3つある。

●現物不動産投資
現物の不動産を購入し、オーナーとなり第三者へ貸出する。

●不動産小口化商品
複数の投資家が資金を出し合い、共同で一棟を購入する。その物件からの収益をシェアする商品。個人では購入が難しい高額の物件であっても、複数の投資家から資金を集めることで投資が可能になる。

●REIT(不動産投資信託)
REITは、各ファンドが投資家から集めた資金を不動産物件に投資し、賃料収入や売却益を投資家に分配する。不動産小口化商品と仕組みは似ているが、REITは基本的に取引所に上場しており流動性が高いこと、投資家から集めた資金は複数の物件に投資することが大きく異なる部分だ。

賃料収入と売却益の変動要因

不動産投資の利益の源泉である、賃料収入と売却益はどのように変動するのだろうか。

不動産価格は景気や金融市場、投機的な動きや税制などによって変動し、一般的に賃料よりも値動きが大きいと言われている。

例えば、景気が良くなって実質賃金が上昇すると、人々の消費意欲は高まる傾向にある。また、株式市場が上昇すると保有する金融資産が増加し、資産効果によって不動産や宝飾品、自動車といった高額消費が増えやすい。
次に、為替の変動だ。自国通貨安になれば海外の投資家から見て割安になるので、買いが集まり、購入需要が高まることで不動産価格は上昇しやすい。
ほかにも、相続税対策として、タワーマンションの高層階を購入したり、土地を購入してアパートを建てたりするケースもある。なお、これらの相続税対策に関しては、現在では効力を持たないケースもあるので、詳細は専門家に問い合わせて頂きたい。

一方で、賃料は実需に影響される部分が大きい。貸し出すための購入や相続税対策、投機的な動きの購入がいくら広がっても、実際に住みたいと希望する人の数が増えなくては賃料は上がりにくい。

不動産投資「3つのメリット」

1. 安定した賃料収入
不動産投資の最大の魅力は、賃料収入という安定した収入を得られる点にあると言える。過去20年、株価・為替・金利は大きく変化しているが、不動産の賃料水準はこれらに比べると変動は大きくない。投資対象としてイメージされやすい株式は、経営状況に応じて無配となる可能性があり、10年国債金利も現在は日銀の金融政策によってほとんどゼロだ。

2. インフレに強い
実物資産である不動産はインフレに強いと言われている。インフレとは自国通貨の価値が下落し、モノの価値が上昇する現象なので、インフレが進むとモノである不動産価格は、相対的に上昇する傾向にある。またローンで不動産を購入していた場合、借入の絶対額は変わらなくても自国通貨の価値が相対的に下落していくので、資産価格と借入額の差が広がっていく可能性が高い。

3. レバレッジをかけて資産形成ができる
不動産は高額のため、ローンを組んで購入するケースが多い。つまり、自己資金以上の金額を動かせるということだ。これを「レバレッジをかける」と表現する。株式投資は信用取引で、為替投資は外国為替証拠金取引で、それぞれレバレッジをかけることができるものの、資産を購入する際、金融機関からのローンが組みやすいのは不動産と言われている。

不動産投資「3つのデメリット(リスク)」

1. 空室の長期化
不動産投資において、最も気をつけたいのが空室リスクだ。空室になってしまうと賃料収入は入らないが、ローン返済や定期的なメンテナンスコストはかかるので、空室の間は収支がマイナスになってしまう。

2. 修繕コスト
建物は経年劣化するため、必要に応じて修繕を行いたい。その費用は不動産オーナーが負担するため、メンテナンスコストを考えて資金計画を練りたいところだ。

3. 天災・火災
自然災害の発生リスクは常につきまとう。自然災害によって建物が滅失してしまうことも考えられる。

リスクに備えた上で、不動産投資を自身の投資先に加えてみてもいいだろう。(提供: みんなの投資online

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