株主優待投資,銘柄
(写真=PIXTA)

株主優待投資が今異常な盛り上がりを見せている。最近では、テレビでも雑誌でも株主優待をもらって生活している投資家の話が話題になることが多い。かくいう筆者自身、さまざまな投資を実践しつつ、同時に株主優待フリークでもある。

株主優待とは、企業が投資をしてくれている投資家に対して、お礼の意味合いを込めて贈る物品、サービスなどのことを指す。この株主優待を実施している企業への投資することを株主優待投資という。

株主優待投資は本来は地味な存在で、値上がり益や配当金という本筋の陰に隠れてしまうことも多い。しかし、株主優待投資を行う人が多くなれば、その分株価も動くことが多くなるので、本筋に負けないしっかりとした投資の方法となる。また、優待投資には、外国人投資家や機関投資家が資金規模的に入れない小型の株式も数多く存在するので、個人投資家にとっては投資しやすいという利点もある。

ただ、気軽に行える優待投資もやり方を間違えれば損を出してしまうこともある。そこで優待投資でできるだけ損しないためポイントを3つにまとめてみたので参考にしてほしい。

株主優待も株式投資であることに変わりなし

優待をもらうにはまず優待を実施している企業を選ぶ必要がある。ただ、優待を実施している企業であれば何でもよいというわけではない。優待が欲しいからといって適当に選ぶと当然損をする。

優待投資も企業業績の良し悪しの影響があり、業績が今より急激に悪くなると優待自体を廃止してしまうこともある。優待目的に買われていた場合、優待が廃止されると株価が急落することは容易に想像ができる。

そのため、優待投資をする際にも、銘柄を選ぶための指針が必要となる。次の3点に注意してほしい。

  1. 一株利益が毎年安定推移で伸びていること
  2. 業績に対して、株価が買われすぎていないこと(PERが低いなど)
  3. その銘柄にテーマ性がないこと

1. 一株利益が毎年安定推移で伸びていること

一株利益は、純利益(企業が出す最終的な利益)をすでに市場に発行されている株式の数で割った利益のこと。純利益が100億円で市場に出回ってる株式数が1億株なら1株利益は100円ということになる。毎年この利益が85円、90円、100円と安定的に伸びている企業は、事業が順調であれば今後も業績を安定的に伸ばすことが予想される。銘柄選びのために1つ目の指針としておさえていただきたい。

安定かどうかを測るための基準が必要と思われるが、事業内容をみて安定的かどうかを主観的に判断するよりも過去の実績の流れをみて決めた方が客観性がある。そのため毎年の利益推移の確認をすることが大事だ。

2. 業績に対して、株価が買われすぎていないこと(PERが低いなど)

業績は先ほど伝えた純利益を基準として考える。

株価に対して何の知識を持たない方のために説明しておくと、例えばA社が1000円でB社が2000円だった場合、A社の方が価格的には安い。しかし、もしA社の1株利益が250円でB社の1株利益が200円だったならどうだろうか。

これを比較するために、PER(単位は倍)という指標がある。PERは株価を1株利益で割ったものであり、一般的には低いほど割安だと判断されている。先ほどの例でいえばA社は4倍、B社は10倍ということになる。

株価と業績の関係性からみると、B社の方が安かったということになる。このように株価の高低を判断するうえでは、必ず業績をセットにして判定しなくてはならない。

前置きが長くなったが、優待銘柄を狙う時にもこのPERは低いほど良い。ただし優待銘柄の代表格である飲食業系の企業はPERが高い企業が多い(70倍程度のPERである企業もある)。

さて、選び方だがPERは低いほど良い。ただし、業績の悪い企業は除きたいので、先ほどの1株利益が安定して伸びていることを前提として、PERが10倍以下の銘柄を狙いたい。なお、現在10倍以下でなくとも、2016年のイギリスのEU離脱や2月の暴落時のような株価が株価の下げのタイミングでは優良な銘柄が一気に株価を下げることがある。優良銘柄をお買い得な金額で買うチャンスといえる。

3. その銘柄にテーマ性がないこと

テーマ性とは、例えばロボット関連銘柄、インバウンド関連銘柄、再生医療関連銘柄のようにあるテーマの中にある株式のもつ性質のことをいう。たいていの場合テーマがあると、何らかのニュースが出た直後から株式が大きく動くことが多い。これは、短期的な売買を行い利益を狙おうとする短期筋の資金が流れ込んでいることによって起こる。

ちなみに、この短期資金が一度流れ込んでしまうと、株価は業績等無視して上がり続けることも多く、高値付近ではババ抜きのような状態になる。また短期資金は信用取引が使われていることも多く、株価が下がり始めるとわれ先にと株式が売られ始める。急落の様相を呈し、高値の位置に株価が戻ってくるには長い時間がかかってしまうこともあるのだ。

特にテーマ性の強い銘柄で、企業の業績が赤字の企業の株式は要注意である。優待銘柄を狙うのであればできるだけこのテーマ性は排除したいところである。以上3つのポイントをご説明したが、優待銘柄を選ぶ際の指針としていただければ幸いだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。個人ブログ「 インカムライフ.com 」を運営。著書に『 元証券ディーラーたにやんの超・優待投資 草食編 Kindle版 』(インカムライフ出版)がある。

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