経済産業省調査統計グループが2014年に行った特定サービス産業調査というレポートによると、習い事「教養・技能教授業」の売上高は9328億円、前年比3.0%の増加だった。講座数は45.1%、受講者は63.1%も増加している「生花・茶道」「外国語会話」「カルチャーセンター」「家庭教師」で売上高が増加した。2009年以来の1兆円乗せも再び視界に入ってきた。
また矢野経済研究所の「教育産業市場に関する調査結果2015」によると教育産業全体の市場規模は2兆5253億円、学習塾、進学塾、予備校市場は9380億円となっている。
日本の市場規模は習い事と学習塾・予備校を合わせ2兆円弱ほどである。
中国市場は野蛮な成長
これに対し中国市場は巨大である。中国教育学会は12月27日「中国輔導教育行業及輔導機構教師現状調査報告」を発表した。その中で業界はすでに巨大市場へ成長した。2016年の市場規模は8000億元(約13兆円)を超え、参加学生規模は1億3700万人、課外学習機構の教師規模は700~850万人に達している。
小中学生の総数は1億8000万~2億と見られ、70%以上が何らかの課外学習機構を利用している計算だ。教師のうち最も多いのは数学で全体のほぼ4割、英語と国語がそれぞれ2割ずつ。教師の身上は課外学習機構専業が69.7%、学校教師のアルバイトが15,9%、その他職業との兼職が9.4%、大学生が5%だった。
ただし市場繁栄の背後には問題が発生している。まずこの業界は、業界標準を欠いている。教師水準は千差万別である。機構側は、利益水準だけでなく教学能力も進歩しているというが、ブラックな部分は多い。教師の入れ替わりは頻繁で、教師の素養が不均一なことも一因だ。表面上の繁栄とはうらはらに内実は混乱し“野蛮な成長”を遂げている。