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(写真=PIXTA)

ペットは家族同様と言われる。お年寄りにとってはそれ以上の存在かもしれない。それだけに、自分が先に逝った場合、可愛がっていたペットがどうなるか、頭をよぎるだろう。このところ、ペットの終活が話題になり、残されたペットの面倒を見るため「信託」を組み合わせたサービスも注目されている。

ペットの寿命も人の寿命も延び、世話が課題

2015年度の全国の犬・猫推計飼育頭数は、犬が991万7000頭、猫が987万4000頭だ。ペットフード協会の調査によるもので、猫の飼育頭数は横ばいだが、犬の飼育頭数は減少傾向にあるという。

興味深いのは年代別飼育状況だ。20代から70代までの飼育状況を調べたところ、50代での犬(17.5%)、猫の飼育率(11.5%)が最も高いが、70代でも犬は10.7%、猫は7.0%の飼育率だ。

ペットフードの改良や医療技術の進歩などで犬、猫の平均寿命も延びている。犬全体の平均寿命は昨年の14.17歳に比べ、14.85歳。猫は昨年の14.82歳に比べ、15.75歳と、ともに寿命が延びていることが分かる。

一方で、飼いたいがペットを飼えない人もいる。内閣府の調査によると、ペットを飼っていない人に、飼えない理由について聞いたところ、「十分に世話ができないから」が43.5%で最も多かった。「死ぬとかわいそうだから」も37.6%と多く、「(集合住宅などで)禁止されているから」(23.1%)を大きく上回っている。

ペットを飼う効果はどうだろうか。一般社団法人ペットフード協会の調査では、高齢者の場合は「情緒が安定するようになった」(45.0%)と最も高く、次いで「寂しがることが少なくなった」(44.4%)、「ストレスを抱えないようになった」(37.8%)と、心理面、健康面での指摘が目立つ。子供の場合は「心豊かに育っている」(60.7%)、夫婦の場合は「夫婦の会話が多くなった」(57.4%)などの効用?が見られるのと対照的だ。

ペットの終活にも注目