安倍首相
(写真=Drop of Light / Shutterstock.com)

経済メディア観察者網は「2017国際情勢10大謎題」と題する記事を掲載した。新華社、央視新聞、新京報など官製各メディアを参考にしたとあり、中国外交の関心事をそのまま表している。やはりトップ3は米国関連だった。

欧州の選挙動向などもランクイン

第10位 安倍首相は右傾化への道路へ狂奔するか。2017年安倍政権は外交の再構築に追われそうだ。それは一種の盲目行動ととれないこともない。真珠湾を訪問し日米同盟の強化を図る一方、ロシアにも目を向け、両手ともふさがっている。しかし日ロ関係の急進展は望めないだろう。

第9位 シリアの選挙は実施できるのか。国連安保理の停戦決議は守られ、次の政治過程に向かうことは可能だろうか。シリアではここ6年で1000万人が流民となり、400万人が国外脱出している。シリア問題解決は戦争拡散を防ぐ鍵となる。

第8位 フランスの大統領は誰になるのか。オランド社会党政権には失望の世論が大きい。目前の世論調査では共和党アラン・ジュペ候補有利となっている。決戦投票で極右国民戦線のルペン党首との対決となる公算高い。

第7位 メルケル独首相は在任記録を更新するか。難民危機、反テロリズムなどで欧州が右傾化する中、コール元首相の在任期間を超えることができるだろうか。

第6位 グテレス新国連事務総長はどのように国連と大国間関係を調整するのか。

第5位 韓国の政局はどうなり、どこへ向かうのか。裁判所が弾劾の最終判断を下すまで、朴槿恵大統領は職務停止である。その結果はどうあれ、朴政権は韓国の歴史に暗い光彩を加えることになった。次は潘基文前国連事務総長の出方が焦点である。

第4位 メイ英首相は英国とEUの関係をどう処理するのか。彼女は如何に才能を発揮し“脱欧戦”に勝利するのか。

第3位 米・中・ロはどのように動くのか。谷底にある米ロ関係は緩和されるのか。それは国際情勢新発展の契機となるのか。中米関係はどうか。ドイツの雑誌は、トランプ外交政策は中国をさらに強大にするだろう、と指摘している。

第2位 オバマの政治的遺産はどのくら残るのか。執政8年オバマの政治成績は出色とは言い難い。さらに政策の要だったオバマケア、TPPはひっくり返されそうだ。トランプは執政1日目からオバマ系の法案を排除すると宣言している。どこまでやるつもりだろうか。

第1位 トランプ新大統領は如何に“米国を再び偉大な国”にするのか。2016年の米大統領選は最も面白い米国ドラマだった。メディアや世論調査をものともせず逆襲し、45代大統領に当選した。

自由貿易協定締結に反対、関税障壁の設置、米ロ関係の改善、NATOは過去のもの、など頻繁に米国伝統の戦略思想から離れた言説を即興で披露してきた。欧州と米国の伝統的同盟関係も不確定な“変数”となる。そんな中、米国優先、米国を再び偉大な国に、はどうやって舵を切るのだろうか。

基本的には受け身か

日本関連は「安倍右傾道路を狂奔か?」とあるが、具体的な“右傾”記述はなく、単にキャッチコピーとして使っている。ランキングも10位と最下位である。何と言っても1位から3位と上位独占した米国トランプ新政権の出方に戦々恐々としている。秩序を乱されるのが何よりいやなのだ。今年の外交はうまく行きそうにないという予感に苛まれているかもしれない。それなら秋の19回党大会まで余計なことはせずと保身に走る幹部は多いのではないだろうか。

ただし軍はここぞとばかりパフォーマンスに走る可能性はある。党大会までの外交は、強烈な不満の表明だけで終わりそうである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【編集部のオススメ記事】
2017年はどうなるのか サクソバンクの大胆予測(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)