政府がまとめた2017年度の予算案では、一般会計の歳出総額は5年連続で過去最高を更新する97兆4547億円となり、そのうち社会保障費が3割を占める構造となった。社会保障費の内訳では、医療費が11兆5010億円と、前年度比で2.0%増えた。高齢化の進展とともに歳出が膨らみ続ける社会保障費の抑制に向けて、17年からは、自分で健康管理を進めるセルフメディケーションがスタート。今回はこの新しい制度をピックアップする。
セルフメディケーションとは?
セルフメディケーションという言葉を初めて耳にするケースも多いかもしれないが、政府は15年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2015」において、個人の健康管理に関して自発的な取り組みを促進するため、セルフメディケーションを推進すると提唱していた。
国の財政を圧迫する医療費の削減のため、軽い症状は市販の薬で治療することを推奨し、その薬の購入費を所得から控除できるというのが新たな仕組みとして登場する。すでに使用している薬などが所得控除の対象に含まれているケースでは、新しい制度に組み込まれるため、チェックが必要だ。