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(写真=zsirosistvan/Shutterstock.com)

退職時や転職時は、なにかと慌ただしい時期ではないでしょうか。再就職先を探したり、さまざまな手続きに追われたりする方も多いことでしょう。しかし、たとえ忙しくても忘れてはいけないものがあります。それは、生命保険に関する手続きです。

今回は、退職時や転職時に必要な生命保険の手続きについて解説します。

退職時の生命保険手続きについて

退職した場合、生命保険に関する手続きが必要になる場合があります。下記に手続きが必要なケースを紹介します。

・ 支払い方法
保険料の支払い方法が給与引去りの場合、銀行口座などの変更手続きが必要です。

・ 住所変更
退職や転職に伴い引っ越しをする場合は、住所や電話番号などの変更手続きが必要です。

多くの保険会社は生命保険料が2ヵ月未納になることにより「失効」となります。つまり、今まで収めた保険料も無駄になってしまうのです。失効後に死亡した場合は、死亡保険金が受け取れないことになります。これは入院保険なども同様ですので、注意が必要です。

この2ヵ月という猶予期間ですが、半年払いや年払いで保険料を支払っている場合は、払い込み期日の2ヵ月後まで、月払いの場合は払い込み期日の翌月末日が期限となります。保険会社により異なる場合もあるので確認しましょう。

ただし、例外もあります。保険料が未納のままでも、解約時に支払われる解約返戻金の範囲内であれば保険会社が保険料を立て替えてくれる制度があるのです。保険料の自動振替貸付制度というもので、自動的に保障が継続されることが多いようです。しかし、保険会社や保険商品により異なっている場合もあるため注意しましょう。また、解約返戻金がない場合や、解約返戻金があっても1回分の保険料に満たない場合、契約は失効してしまいます。

転職時の生命保険の見直し

一口に転職といっても様々なパターンがありますが、とくに転職の際に保険料を見直したほうがいいのがサラリーマンから自営業へと転職する場合です。自営業になると厚生年金から国民年金へと変わります。社会保険もまた国民健康保険へと変わります。

万が一の場合を考えてみましょう。サラリーマンでは遺族基礎年金+遺族厚生年金が家族に支払われますが、自営業の場合は遺族基礎年金のみとなります。また、自営業の場合、店舗や事務所などの整理費用なども掛かることになります。サラリーマンから自営業に転職する際には死亡保障を増やす必要があるといえるでしょう。

保険を給与天引きで加入しているとどうなる?

団体扱いになると保険料が安くなることから、一定の人数がいる会社では団体扱いで保険に加入する場合があります。この場合、毎月の給与からの天引きとなります。退職時には団体扱いでなくなるため、一般の保険料率に変わり保険料がアップします。ただし、転職先の会社も団体扱いの契約をしている場合は、再び団体扱いの保険料が適用されます。

この際に注意しなければいけないことは、退職時には一度保険料の支払いを口座振替に変える必要があるということです。会社を退職したので、当然給与から天引きされることはなくなります。結果的に保険料の未払いになりかねません。前述のように、保険料の未払いにより保険自体が失効になる可能性もありますので、手続きは忘れないようにしましょう。

無保険期間はあるのか

退職時にもう一つ考えたいのが「健康保険」に関する問題です。退職により健康保険の資格は喪失します。退職後の3つのパターンを見ていきましょう。

1. 国民健康保険に切り替える
手続きが必要ですが、手続きが遅れたり手続きをしなかったりした場合でも、自動的に国民健康保険の被保険者となります。日付的には退職日の翌日から被保険者とされ、保険料を支払わなければいけません。

2 .社会保険に任意継続する
一定の条件はありますが、最長2年間にわたって、退職後も社会保険に加入しつづけることができます。この場合、退職前に加入していた健康保険組合で手続きが必要です。

3. 会社員である家族の扶養家族になる
被扶養者となり、被保険者同様の扱いとなります。これには、被保険者の直系尊属や配偶者や子など、一定の条件があります。

日本は、国民皆保険制度を敷いています。退職後など、被保険者証を持っていない場合に病気やケガをしても、手続きをすることにより一定の期間まで遡って給付を受けることができます。そのため、無保険期間は基本的にはないといえるでしょう。

退職時や転職時、変更手続きは忘れずに!

会社を通した団体扱いの生命保険に加入している場合、退職時や転職時には口座振替への変更が必要になります。

もし変更手続きを行わなかった場合、保険料の滞納となります。そして、一定期間未納が続いた場合、生命保険そのものが失効してしまいます。変更手続きは忘れずに行いましょう。(提供: 保険見直しonline

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