高齢者,WHO,老年学会
(写真= wong yu liang / Shutterstock.com)

「65歳でも70歳でも高齢者でなくなる?」−−。

現在「65歳以上」と定められている高齢者の定義について、日本老年学会、日本老年医学会は75歳以上に引き上げるべきとする提言を発表した。提言によれば65歳から74歳は新たに「准高齢者」として位置づけ、現在の高齢者と区分されるという。

5〜10年前に比べて現在の65歳以上の生物学的にみた年齢は5〜10歳は若返っているという。知的機能の面でも、現在の70代の検査の平均得点が10年前の60代に相当するとの検査報告もあるが、高齢者を75歳に引き上げる背景には、労働人口の減少、社会保障費の増加など現在の日本が抱える様々な問題が見え隠れする。

海外の高齢者事情

海外の高齢者事情はどうなのだろうか。世界保健機構(WHO)によると多くの先進国で高齢者の定義は60歳から65歳である。実際、WHOが定義する高齢者の区分も65歳となっている。

高齢者の定義とあわせて年金の支給開始年齢も先進国では60歳から65歳が圧倒的に多い。しかし日本だけでなく、他の先進国でも平均寿命が延びた事や高齢者の増加などによって日本と同様の問題に直面している。アメリカやドイツは支給開始年齢を67歳に引き上げを検討するなど、先進諸外国でも対策が議論されている。

経済への影響は?