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(写真=pathdoc/Shutterstock.com)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金(個人型DC)の愛称で、2016年9月に厚生労働省が決定したものだ。法改正により、従来加入資格のなかった公務員も2017年1月より個人型確定拠出年金に加入できるようになる。そこで気になるのが、公務員の年収だろう。今回は、地方公務員の年収ランキングをご紹介しよう。

総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」

総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」とはどのようなものだろうか、簡単に説明しよう。

・5年ごとの調査
総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」より、地方公務員の年収を知ることができる。5年ごとに実施される基幹統計調査と、基準統計調査年以外の年に、補充調査が行われている。

・調査の意義
国家公務員の給与体系は等級によって規定されているため、各省庁による差異はあまりなく把握しやすい。これに対して、地方公務員は、各地方自治体によって給与額や待遇面は大きく異なっている。しかも、地方自治体の数は膨大な数に及んでいる。総務省の調査は、地方公務員全体の状況を把握したり、個々の自治体同士の状況を比較するしたりするうえでも有用な資料となっている。

全国の地方公務員の年収ランキング1位~5位まで発表

それでは、「平成27年地方公務員給与実態調査結果等」から、年収が高い自治体を挙げていく。総務省は、地方自治体同士を比較するために、地域手当補正後にラスパイレス指数を採用している。ラスパイレス指数とは、「国家公務員の平均給与を100としたときの地方公務員の給与水準」を表す指数だ。総務省は毎年、地方公務員の給与水準を、このラスパイレス指数を用いて発表している。

ラスパイレス指数のベスト5は以下のようになっている。

・ラスパイレス指数ベスト5
1位 兵庫県芦屋市  104.7
2位 京都府宇治市  104.6
3位 神奈川県    104.1(都道府県で1位)
4位 東京都武蔵野市 104.0
5位 神奈川県川崎市 103.8(政令指定都市で1位)

ラスパイレス指数の全国平均は99.0であり、全地方公共団体の一般行政職の平均給与月額は367,557円だ。参考までに、国家公務員の平均給与月額は408,996円である。ちなみに、ラスパイレス指数の低いところは、市区村町では大分県姫島村が75.7、都道府県では鳥取県が91.8となっている。

ランキングの傾向を解説

これらのランキングを見ると、上位の地方公共団体は、比較的都市部が多いといえる。都市部でなくとも、人口が多い地域や、人気の観光地が上位にくる傾向がある。人口が多い都市や観光客が多く来る都市は税収入も多いので、地方公務員もその恩恵を受けているといえるだろう。

第1位となった芦屋市は、関西指折りの高級住宅街である。ラスパイレス指数が高いことについて、芦屋市は、「新規採用の抑制による職員数の削減」および「団塊世代の退職により若年層の管理職への登用が増えたこと」を要因として挙げている。
http://www.city.ashiya.lg.jp/shokuin/rasubunseki.html

かなりの幅がある地方公務員の給与

地方公務員の給料といっても、地方公共団体によってかなりの幅があることが、この調査から確認できる。その背景には、地方公共団体のなかでの財政格差がありそうだ。特に都市部と地方の差が広がっていることが分かる。財政を確保するため、地方公共団体が「ふるさと納税」に力を入れる理由も理解できるのではないのだろうか。

地方公共団体の職員は税収入によって給与額が左右される。しかし、人口動態や国策によって、地方公共団体の税収入は変動する可能性もある。公務員といえども、現在の給与が生涯にわたり保証されているわけではない。2017年1月より、公務員もiDeCoを利用できるようになるため、余裕のあるうちに老後への備えを始めてみてはどうだろうか。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

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