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(写真=William Potter/Shutterstock.com)

確定拠出年金(DC)は、自身が拠出した掛金について、自身の選択と責任において運用していくことになる。発生した運用益には税金がかからないというメリットがあるため、これを機に投資や資産運用をしてみようという人も多いだろう。そこで、今回はバランス型投資とDCについて解説していく。

バランス型投信とは

確定拠出年金における運用商品の主流は「投資信託」だが、一口に投資信託と言っても、投資対象によってさまざまな種類がある。例えば、以下の資産を投資対象としているものがある。

・国内株式
・海外株式
・国内債券
・海外債券
・国内不動産
・海外不動産
・コモディティ(金や原油など)
・プライベート・エクイティ(私募投信)
・ヘッジファンド

バランス型投信(バランス型投資信託)とは、複数の投資先を組み合わせたファンドである。投資の世界では、値動きを完全に予測することは困難であるとされている。そのため、複数の投資先に分散投資することがリスク管理の基本的な手法である。しかし、数多くの投資先の中から適切な投資先を見つけるのは大変であるうえ、それぞれの資産を同時に運用していくには手間がかかるなどのデメリットがある。こうした煩わしさを解消するのが、バランス型投信のメリットの一つである。

バランス型投信の種類

バランス型投信といっても、目的に合わせていくつか種類がある。

・ローリスク・ローリターン型
・ミドルリスク・ミドルリターン型
・ハイリスク・ハイリターン型

とりわけ、株式は他の資産と比べて相対的に値動きが激しいため、上記の分類は、主に株式の比重によって分類されることとなる。また、上記をそれぞれ安定型・安定成長型・成長型などと表現している運用会社もある。

バランス型投信のメリット・デメリット

・メリット

バランス型投信の最大のメリットは、1つのファンドで複数の投資先に投資できるということである。投資対象があらかじめ分散されているため、1つの投資先に資金を集中させているよりも、相場下落局面において損失を回避できる可能性が高いといえる。

次に、少額の投資でも分散投資が可能になることである。例えば、株式に投資する場合、単位株数が定められていることが多いため、最低必要な単位を購入するための金額に届かなければ投資することができないが、バランス型投信では、投資金額が少額でも分散投資が可能となる。

さらに、自動的にリバランスされるのもメリットだ。投資先へ資産を分散して投資していると、その後の各資産の価格変動によって、資産の配分割合が変化していく。個人がそれぞれの資産に投資している場合は、自分で資産配分割合を調整していかなければならないが、バランス型投信ではこのような手間が不要となり、一定期間で運用会社によってリバランスされる。例えば、国内外の株式で構成されるバランス型ファンドでは、外国株式の割合が大きくなった場合、これを売却して割合が小さくなった国内債券を購入するなどのリバランスを行う。

・デメリット

デメリットとしては、選ぶのが難しいことである。バランス型投信といっても、じつにさまざまな種類がある。まずは、購入を検討しているバランス型投信にどのような資産が組み込まれているのかを理解することが大切だ。また、目標となる資産構成割合が定められていることも多いので、合わせてチェックしたい。

次に、一般的に手数料が割高になってしまうのもバランス型投信のデメリットである。複数の資産の運用を行わせている以上は一定の手数料がかかるのは致し方ないが、手数料に見合ったパフォーマンスを発揮するかどうかの見極めが大切だ。

定期預金だけでなく投資も考えてみる

確定拠出年金には、口座管理手数料などの手数料がかかる。そのため、利率の低い定期預金の運用だけでは、資産が目減りしてしまう可能性もある。また、定期預金はインフレが起こった場合、金利水準が見直されないと相対的に資金が目減りするというリスクもある。

資産分散と時間分散が図れるのが確定拠出年金の資産運用の強みだ。バランス型投信は、資産分散をプロのファンドマネージャーが行ってくれるので、初心者でも比較的投資しやすいファンドだといえる。いきなり投資や資産運用は難しいと考えている場合でも、この商品を入口に勉強することができる。ぜひチェックしてほしい。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

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