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(写真=PIXTA)

はるやまホールディングスが「ノー残業手当」を4月から支給すると発表した。課長級以上を除くはるやま商事と合わせた正社員に適用するこの制度だが、残業時間ゼロの社員に対し月額1万5000円を支給するそうだ。仮に残業をしてこれに満たない場合は差し引いた額を支給する。同社に限らず、こうした「残業をなくす」取り組みはあちこちで行われている。

「ノー残業デー」を水曜日に実施する企業が多い

はるやまHDは、子会社のはるやま商事と合わせ、昨夏ごろから社員の健康促進策の展開として働き方の改善案として制度化を検討している。この度の「ノー残業手当」として総額年間1億8千万円を見込込んでいる。両者の社員はこれまで1人当たり月10時間半の残業をしていることから、この制度で残業代を年間8000万円抑える事ができると見られる。

NHKが2016年10月〜11月に行った調査では、水曜日の都内にあるフィットネスクラブの利用者が急激に増え、前年同月より3割以上増えたという。会社帰りの人たちが目立つという。水曜日に利用者が増えているのは、「働いている会社のノー残業デーが水曜日だから」という答えが返ってきたそうだ。

官公庁もノー残業デーを水曜日に設置していることもあって、“水曜の夜”に会社帰りの会社員を取り込む熱い視線が注がれている。同調査でも主な企業100社を対象に調べた結果「ノー残業デー」を実施している企業は全体の3分の2に当たる67社が「実施している」と回答していて、金曜日が14社、月曜日が1社との結果を得ている。週に1日実施するとした企業が42社と最も多いようだ(週に2回が10社、月に1日が5社)。

制度の成否は経営トップの「経営戦略」としての位置付がカギ

内閣府仕事と生活の調和推進室は、企業と協力し、ワーク・ライフ・バランスの調査・研究を行っている。同室によれば、取り組みが社内に定着し成功した企業もあれば、道半ばで制度づくりまでは進んでも社内に考え方が浸透していない企業も見られるようだ。

成功した企業を見ると制度づくりもさることながら、経営トップや管理職の考え方が「経営戦略」としての位置付と経営トップの方針として共通認識を社員に持たせる工夫が見受けられるという。

継続した思いの共有が肝要

仕事の成果を高め、恒常的な長時間労働からの脱却は今や「経営戦略」の一つに位置付けられているといえよう。優秀な人材確保、従業員の定着率の向上にも寄与する為、新たな気づきを事業者に反映させるといった声はよく聞かれる。社内の業務やマネジメントのあり方を見直し、経営トップが改めてワーク・ライフ・バランスの重要性を認識することで目標を明確に発信することが重要なのだ。

前出の推進室も、経営トップからの発信も1回だけに終わらず、繰り返し何度も、現場に浸透するまで続けることで「会社として真剣に取り組んでいる」事を分かってもらうのが肝要としている。

「ノー残業デー」自体は今や時代遅れ

「ノー残業デー」導入する企業で業界に先駆けた活動が多くのメディアで取り上げられ他企業に、パシフィックコンサルタンツがある。同社の社長は、業界全体を改善することが必要との考えから積極的に講演も行っている。業界団体にも働き掛けたことで「ノー残業デー」の取組は業界内に広がっていると言う。残業時間を減らし、売上を落とさずに生産性を向上させられることが実証されたと指摘している。

また三桜工業はダイバーシティ推進グループが事務局となり、「定時に帰ろうプロジェクト」をはじめとするワーク・ライフ・バランスの取組推進を実施している。取り組みの進捗状況に応じ、各対象チームのリーダーや担当役員とのコミュニケーションに努めていると言う。

ジェイティービーも特に長時間残業が目立った4チームを選び、「働き方の見直しプロジェクト」をモデル事業として実施している。自他共に働き方は変えられないとの考えがちだったが、この事業の結果、想像以上に残業時間が減り、副次的な効果としてコミュニケーションが活性化し、チーム力が向上したとしている。

実動部隊となる存在が重要

取り組みの推進には、経営トップの理念はもとより、担当者や担当部署の存在が重要だ。それにはリーダーシップを発揮できるポジションが求められる。経営トップの想いを従業員に伝えると共に、従業員の意見を聞く必要があるためだ。

従業員の声をうまく汲み取り、取組への浸透や定着はキーパーソンとなる人物を置くことが成否のカギを握るようだ。成功の第一歩はコミュニケーションを媒介する立役者を置けるかどうかということなのかもしれない。(ZUU online 編集部)

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