マンション投資の際、物件選びの検討軸は「新築か中古か」「単身者向けかファミリー向けか」「都心の物件か地方か」の3つに大別されるのではないでしょうか。特に投資初心者の場合は、どのような組み合わせで、物件を選択すべきなのでしょう。
初心者には、中古・単身者向けが良い
一般的には、新築物件よりも中古物件の方が、利回りが良いとされています。ただし、その分リスクも大きい傾向にあります。
新築物件は、間取りや設備、内装なども最新で、空室リスクも抑えられる可能性が高い代わりに、中古物件よりも価格が高くなるので、利回りは小さくなります。一方、中古物件は、新築物件に比べて商品競争力は下がるかもしれません。しかし、入居者が安定して入れば、比較的大きな利回りが期待できます。よほど大きな環境変化がない限り、賃料も安定傾向にあります。リノベーションによって競争力の低さをカバーすることも可能です。
新築物件では、本当に入居してもらえるかどうかは賃貸を始めてみないと分かりませんが、中古物件の場合は、新築時からこれまでの賃貸実績から今後の入居率や利回りの予測も立てられる点はメリットと言えるでしょう。
「単身者向けか、ファミリー向け物件か」の観点ではどうでしょうか。
ファミリー向けの物件は部屋が広いので、その分購入価格は高くなります。しかし、面積の広さに比例して家賃を高く設定できるわけでもないので、単身者向けに比べ、利回りが少し低くなる傾向にあります。またファミリー向けと比較すると、単身者向けは退居後の空室期間が短い傾向にあります。しかも、物件のサイズは小さく、リフォームやリノベーションの費用も、ファミリー向け物件よりも低く抑えられるため、投資効率は上がります。
物件選びは、資金額や長期の安定収入を求めるのか、短期で売却益を求めるのかといった投資スタイルでも変わります。初心者の方で資金にあまり余裕がない場合は、中古で単身者向けという比較的小さい投資でスタートし、安定的に収益が上がってきた後に次の物件にチャレンジするほうが確実性が高いのではないでしょうか。
中古物件に対する投資のポイント
中古・単身者向けの物件で、最も重要なのは立地です。駅まで近い、会社・学校へのアクセスが良い、遅くまで開いているスーパーやコンビニが近くにあるなど生活の利便性が高い物件は、空室リスクを低く抑えられるとともに資産価値の低減率も比較的小さいです。 昼間に自宅にいることが少ない単身者は、周囲の騒音や日当たりなどの条件は優先順位が低くなる傾向にあります。
もう一つ、今後さらに重要性を増すのはデザイン性でしょう。平日はほとんど外で過ごすからこそ、夜や週末は部屋で気持ち良く過ごしたいと考える人たちは少なくありません。居住性、機能性も重要ですが、デザイン性の高い部屋は単身者にとって魅力的で人気も高くなっています。 退去後の中古物件はそのまま元通りにリフォームするよりも、トレンドに合わせてリノベーションしたほうが、一時的にコストはかかりますが長い目で見れば入居率を高め収益を上げることになるでしょう。
今後、都心の物件が有利な理由
日本は人口減少の局面に入りました。人口が減少すれば、不動産需要も減少します。ただし人口動態を注意深く見てみると、国全体の人口は減少しているものの人口減少が起きているのは地方であり、首都圏を含む大都市圏はむしろ増加傾向にあることが分かります。 特に東京都では都心回帰の傾向があり、江東区、板橋区、世田谷区、品川区、港区などの人口増加率が高くなっています。また、地方では戸建・持ち家志向が強いのに対して、都市部ではマンションなどの集合住宅・賃貸物件に住む人が多い傾向があります。また、現在、都市部へ流入している人たちの多くが、若年層の単身者だということも見逃せないポイントです。しかも今後は急速に高齢者の単身世帯が増えることが予想されています。
予測不可能ながら地震などの災害リスクがないわけでもありません。ですので、こうした傾向に変化が生まれる可能性もゼロではありませんが、目の前の傾向を踏まえると、リノベーションをした都心の単身者向け中古物件が投資対象としては最適と言えそうです。(記事提供: REISM )
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