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(写真=PIXTA)

モバイルアプリの情報を提供するApp Annieが2016年のモバイルアプリ市場に関するレポートを発表した。iOSを使うiOS App Storeと、Androidを使うGoogle Play、そのどちらも2015年と比較して成長スピードが加速している。ダウンロード数は15%増加し、アプリストアからパブリッシャー(アプリ製作者)に支払われた収益は40%も伸びている。また、アプリが実際に使われた時間数も大幅に増え、全体で9000億時間を突破している。

iOSもAndroidも成長スピードは加速している

iOSは先進国で大きな比重を占めているのに対し、Androidは新興市場において大きな比重を占めている点も注目だ。

これは成熟した市場ではiOSが受け入れられているのに対し、新興市場ではAndroidが広く使われているという事にもなる。iOSを使用するiPhoneやiPadが比較的高価な端末ラインアップなのに対し、格安端末など幅広いラインナップを持つAndroidが、新興市場ではより多く使われているのかもしれない。また全体のダウンロード数では中国が首位となっている。

基本的にはゲームが牽引するが、他のアプリが伸び率は高い

アプリには多種多様なものがあるが、ポケモンGOを初めとするゲームの人気は根強い。ゲームはダウンロードそのものは無料だが、それに付随するコンテンツを有料化することよるビジネスモデルであり、より収益を上げやすい分野と言える。

しかしダウンロード数でゲームを上回るものとして、ソーシャルアプリや動画ストリーミングアプリなどがある。興味深いのはiOSとAndroidでは人気のアプリが異なり、iOSではファイナンス、旅行、写真・ビデオであり、Androidでは仕事効率化、ツール、ソーシャルである。レポートでは、新興市場で人気のあるAndroidでは、スマートフォンを便利に使うために各種ツールを新しく導入するのに対し、成熟市場で人気のあるiOSでは一通りのツール導入を終えた後にホビーやさらなるビジネス利用のためにアプリを導入するため、このような差異が発生していると指摘している。

筆者の見解としては、そのレポートの内容を踏まえたうえで、インフラが未整備な新興市場でこそホビー分野も今後伸びていくのではないかと考えている。一つの端末(スマートフォン)で何でもこなすというのはどの市場でも変わらないが、多くの家電製品やPCを購入する余裕が無い新興市場でこそそれは顕著になるものとみている。

マネタイズに舵を切るタイミングを待つ市場

一方で実用的なアプリに関しても利用数、ダウンロード数ともに伸びを見せている。モバイルバンキングはもちろんだが、株式やFX取引などのアプリも充実を見せつつある。これらのビジネスモデルは、アプリそのものでは利益を挙げる事を目的としておらず、自社のサービスを使う事によって収益を上げることを目的としているため、総じてできが良い(良くなければ利用者が増えないため)。

筆者が聞いた面白い話としては、「PCによるFX取引は、PCへのハッキングが怖いが、iOSなどを使ったものでハッキングされた話は聞いたことが無い(だから安全性が高い)」というものがあった。もちろん油断は禁物だが、確かに使用目的が限られている環境においては考えうる選択肢ではある。

リテールバンキングは例えばiモードの黎明期から存在したことから、ユーザにとっては有益なものの一つであり、一番身近なフィンテックとして重要な存在となり続けるだろうと指摘されている。マネタイズという意味では、たくさんのソーシャルアプリが広告を入れる事により収入を得ているが、さらに利用しやすい広告ツールの登場によってその動きが加速されることは確実である。

PCからの置き換えが加速するモバイルアプリ

このレポートで筆者が一番驚いたのが、インターネットショッピングにPCではなくモバイルツールが使われつつあるという点である。

いわゆるブラックフライデーやサイバーマンデーのある11月において、ショッピングアプリの利用時間が前年に比べると30%増加したという点も、それを証明していることになる。タブレットやスマートフォンの性能が上がり、さらに普及率も高くなることにより、これまでPCでできていたもの(あるいはPCでしかできなかったこと)がiOSやAndroidで置き換えられるようになってきているが、商品について見て知る事が重要がショッピングの分野においても置き換えが進んでいるということは、ユーザの立場からというよりはむしろ売る立場(アプリを作る立場)からの影響の方が大きい。

PC用ソフト開発の環境の整備よりも、モバイルアプリ開発の環境整備や人員の確保が優先される状況になりつつある。どのカテゴリーのモバイルアプリもそうだが、利用側・開発側ともにますます伸びていく市場であることは疑う余地が無く、引き続き注視が必要な分野である。(信濃兼好、メガリスITアライアンス ITコンサルタント)

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