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(写真=g-stockstudio/Shutterstock.com)

リーダーや経営者には、自分の担当業務に加えて部下の指導も求められている。部下の指導には、業務を教えるだけでなく、褒めたりすることによってやる気を引き出すことも含まれる。

単に褒めるだけでなく、褒めることのメリットを知り、目的意識を持って褒めることで効果は大きく違ってくる。今回は、リーダーとして知っておくべき部下の褒め方について解説する。

褒めることの効果、メリット

リーダーの中には、「社員だからやって当たり前」「直属の上司が褒めるだろう」となどの考えを持つ人もいるかもしれないが、褒めることの効果、すなわちメリットをもっと理解してほしい。

ある心理学の実験では、教師が生徒を「褒めて教育したグループ」「叱ったグループ」「無関心だったグループ」に分けて比較したところ、「褒めて教育したグループ」がもっとも成績が伸びたというデータが出ている。

褒めることで得られるメリットは、「やる気を出させる」「部下の承認欲求を満たす」だけにとどまらず、「信頼や尊敬を得られる」「相談しやすい関係を構築できる」「部下の不満の解消につながる」など、多くの効果が挙げられる。効果に合わせた褒め方を、リーダーとして理解しなければならない。

褒める時に使いたい言葉、褒め方

褒め言葉は、相手や場面ごとに言葉や言い方の調子を選択しよう。使いたい褒め言葉は、「さすが」「よく思いついた」「いい判断だ」「見所がある」「頼りにしている」「君なら安心だ」「任せられる」「向いているね」「次回も頼む」「いいところまできてる」などがある。

また、優れた結果を出した場合に褒めるだけでなく、頑張っているものの成果がなかなか出ていないケースでも、一言「もう少し頑張ろう」「その姿勢が大事」と褒めておくことも必要である。

では、どのような褒め方があるのだろうか。

レッテル褒め……「この企画ならAさんだよね」「この業務ならBさん」と部下の能力を承認し、モチベーションを上げるだけでなく、部下の自己ブランドの確立につなげる褒め方。

第三者褒め……「昨日の会議で、部長が君の○○について褒めていたよ」といったように、直接ではなく第三者が褒めていたと伝える方法。逆に、会議などその場にいない部下のことを褒めることで聞いていた人から伝えていく方法もある。

社外の第三者の前で褒める……他社の人に部下を紹介する際に、「彼は○○が得意で」「彼は○○について優秀な社員で」とさりげなく褒める方法。

褒める際に注意したい3点

褒める時には注意すべきは、「タイミング」「周囲の人」「具体性」の3点だ。

● タイミング
褒める時期は仕事の報告時なのか、プロジェクトが終了して落ち着いた時なのか、少なくとも褒める内容が相手の意識の中にある時期に行なうべきで、褒めることにも鮮度があることを忘れないようにしよう。

● 周囲の人
褒める時は、朝礼やミーティングなど周りに人がいるほうがいいのか、一対一のほうがいいのかを考える必要がある。基本的には人がいる前で褒めたほうがいいものの、ケースバイケースで判断することが重要だ。

● 具体性
契約件数や売り上げといった具体的な数字や内容を取り上げて褒めることである。数字や物差しがない場合は、「交渉をまとめ上げた」「粘り強く出向いた」「文章やレイアウトなどの出来の良さ」などでもいい。部下に、上司が自分の仕事を理解していることを伝えるために必要なポイントである。

褒めるということ

褒める側よりも褒められた部下のほうが強く印象を持つことが多く、なかなか忘れないものである。もし部下を叱ることがあっても、「以前褒めてもらったので、次にまた褒めてもらえるよう頑張ろう」と前向きに受け取ってもらえるだろう。

褒めることは、部下のやる気を引き出し、業績向上や良好な人間関係の構築など、多くのメリットが得られる。褒める際には、場面ごとにあった褒め方を選び、注意すべきポイントにも配慮しよう。たまにでも、少しでも褒められると、部下は嬉しいものなのだ。

なにより、褒めあう職場とけなし合う職場では、どちらが働きやすいだろうか。働きやすい職場づくりのためにも、リーダーが率先して部下を褒めることが重要だ。また、部下を褒めて感謝を示すことは、リーダーとしての資質を磨いていくことにつながるだろう。(提供: 百計オンライン

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