「世界年金積立金ランキング」から日本はOECD加盟35カ国中14位、アジア圏で1位であることが判明した。

このランキングは2015年のデータに基づき、各国で積み立てられた民間退職年金基金対GDP占率を順位づけしたものだ。順位だけで判断すると、日本の年金事情はアジア圏内は勿論、世界基準から考慮してもけっして悪い方ではないように見える。

厚生労働省の報告書によると、2014年度の年金積立金全体の運用資産額は143兆9509億円。高齢化や少子化といった社会問題の影響で、今後積み立て金のとり崩しが増えると予測されているが、ほかの多くの国同様、保険料の値上げや支給開始年齢を遅らせるなどの対策を講じることで、一部で懸念されている「年金危機」を切り抜けられると期待されている。

しかし積み立て金がGDPを占める率を首位のデンマークと比較すると、わずか6分の1にも満たない。また公的・私的年金資産だけではなく、年金制度や規制、持続性も評価基準とする「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」では、27カ国アルゼンチンに次いで最下位から2番目と不名誉な結果に終わっている。つまり年金制度の構造自体に改革が必要ということを指すのだろうか。

上位3カ国は高税率、高水準な社会福祉制度で知られるデンマークを筆頭に、オランダ、アイスランドと福祉国家が独占。いずれの国も2000年から積み立て金が2倍に増えており、「年金指数ランキング」でもトップ評価をうけている。

最下位はギリシャ(0.6%)、ルクセンブルク(2.8%)、ハンガリー(4.1%)、トルコ(5.5%)、ベルギー(5.8%)の5カ国だ。

「世界年金積立金ランキング」トップ20