任天堂が2月にリリースするスマートフォン向け(iOS、Android)ゲームアプリに、いわゆる「ガチャ」を導入するという事が判明し、話題となっている。
ここでは、なぜ任天堂が「ガチャ」を導入したのか、そもそも「ガチャ」とはどのような仕組みで、どのような問題があるのかを検証する。
伝統のシリーズに「ガチャ」を導入する任天堂
任天堂はマリオシリーズ、ポケモン、カービィ、ゼルダなど、自社が作ったキャラクターやシリーズを育て展開するゲームメーカーであるが、「ガチャ」を導入するのは「ファイアーエムブレム」(以下FE)シリーズの「ファイアーエムブレムヒーローズ」。このシリーズとしては初めてスマートフォンに投入されるものである。これは1990年に第1作が登場した息の長いシリーズでもあり、国内外での知名度も高い。
FEはキャラクターユニットを配置するタイプのRPGであり、ゲームとしての操作形態やUIはスマートフォン上のゲームとしても適している。またこれも重要だが、「ガチャ」を回してアイテムやキャラクターを入手する、という形態にも合致している。任天堂の故岩田聡社長は、自身がいくつものゲームをプログラミングした伝説の人物だったが、任天堂の2012年4月の決算説明会では「自社ゲームにはガチャは導入しない」と明言していた。
岩田氏は任天堂の社長に就任したまま2015年7月に亡くなったが、岩田時代が終わり、ゲームビジネスにおいて課金が必要であると任天堂が判断した今回の決定は論議を呼びそうである。