新興国,経済成長,トランプ大統領
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「トランプ大統領が唱えるパトリオティズム(愛国心)が、新興国にプラス効果をもたらす」との見解を、米大手ヘッジファンド、ワイス ・マルチ・ストラテジー・アドバイザースのジョルディ・フィッセルCEOが示している。

自国最優先型の新政策により、他国はそれぞれの政策の見直しを余技なくされている。特にこれまで米国の影響を強く受けてきた新興国が独立性や経済成長力を強化するうえで、「自国がすべきこと」を認識する機会になるという見方だ。

再編の必要性に迫られる中国、メキシコなどの新興国、先進国にも影響大

1月23日、米ブルームバーグの取材に応じたフィッセルCEOは、「トランプ大統領の就任が各国に再編の必要性をもたらした」と発言。2008年の金融危機から9年近く経過した現在も、世界経済は本来の成長力を取り戻していない。経済的な弾力性が需要から生まれることは明らかだ。

一例を挙げると経済発展を目指すうえで消費活性化が重要視されているが、新興国は国内にはびこる腐食を排除すると同時に、医療制度や年金制度の改革をとおして堅硬な経済基盤を築くことによって、国民の中に根付いた消費への懸念を払拭する必要がある。そのためには精力的に自国の課題に取り組んでいくことが、長期的な効果を得るうえで唯一の手段だ。

フィッセルCEOは特に中国は大規模な改革に迫られると見ている。トランプ政策の目玉のひとつである国外製品に対する高関税が実施されれば、米国最大の輸入国である中国にとって深刻な打撃となることは確実だ。米国勢調査局が昨年末発表したデータでは、2015年の中国から米国への輸出総額は5000億ドル(約56兆8000億円)に達している。

それに加え、同日発表された環太平洋連携協定(TPP)からの米国永久離脱など、今後対応すべき問題が山積みだ。国営企業体制から供給面重視の経済政策、果ては年金制度まで、応急処置レベルの短期戦略ではなく基盤を組みなおすための動きが必須となるだろう。
米国なきTPPで成長戦略の見直しを余技なくされる日本も例外ではない。国境の壁や自動車生産問題でトランプ政策の的になっているメキシコなど、米政権交代の影響に対応を迫られている国は後を絶たない。

各国が立ち止まり、問題点や方向性と正面から向き合う機会を創出したというフィッセルCEOの見解は正しいだろう。どこの国も「自国を豊かにしたい」という希望をいだいている。しかし愛国心が独裁に変わりやすいのも事実ゆえに、そうならぬことを願うばかりだ。(ZUU online 編集部)

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