アパート投資は、1室を購入するマンション投資とは異なり、建物1棟を購入する投資方法であるため、自分の考えをそのまま建物に反映させることができるという利点がある。複数の入居者からの家賃収入が見込めるなどメリットも多い。アパート経営をする上で、時代のニーズに合わせた物件作りや、利回りなどについても知っておく必要がある。今回は、アパートの投資によって受けられるメリットや、考えられるデメリットについて詳しく紹介する。

目次

  1. 不動産投資全般のリターンとリスクは何がある?
  2. マンション投資との違いは?
  3. 最近の不動産の市場見通しは?
  4. アパート投資、経営のメリットは?
  5. アパート投資、経営のデメリットは?
  6. 時代のニーズを理解する

不動産投資全般のリターンとリスクは何がある?

一般的に不動産投資はミドルリスク、ミドルリターンといわれる。これは、他の投資に比べるとリスクが少ないのに対して、長いスパンで収入を得ることができるためである。しかし、いくら少ないといっても、全くリスクがないわけではない。一般的に考えられるリスクは、収入による利益の問題である。不動産投資で得られる利益には主に家賃による収入と、物件の売却収入の2種類がある。

物件には資産価値というものがあり、同じような間取りや設備であっても、場所によって価値は異なる。公共交通手段や周辺施設が充実していれば、価値は高まるであろう。これらを考慮せずに物件を購入すると、資産価値が下がって売却収入が安くなってしまうリスクがあることを知っておくべきである。

利回りという点も考慮する必要がある。不動産投資のリターンはこの利回りが大きく影響するが、都市部の場合は利回りが低い分、物件の価格は高くなる。逆に、地方エリアは利回りが高い半面、物件の価格は低くなる。人口の増減なども考慮に入れれば、どちらにもメリットがあるといえる。

マンション投資との違いは?

マンションによる投資は、一般的にワンルームマンション投資といわれている。これは、マンションの1室を購入して投資する方法で、状況に応じて部屋数を増やすことができるのが特徴である。これに対してアパートによる投資は、建物1棟を購入する方法である。日本では、複数の建物を保有しているアパート投資家も少なくない。利回りにも違いがあり、マンションの投資は扱う物件が1室のみなので空室による無収入のリスクも考えられるが、アパートの投資であれば1棟なのでリスクを分散できるというメリットがある。

最近の不動産の市場見通しは?

不動産としての価格や利回りの面からも、売り手、買い手とも市場は活発だ。しかし、市場が活発になっていることで多くの業者が参入してくることが予想されるため、しっかりとした見極めを行ってこそ物件の購入ができるようになるといえる。

アパート投資、経営のメリットは?

新築のアパートを建てるのであれば、自分で物件の間取りや設備を決められるというメリットがある。建設するエリアによってはいろいろな制約を受けることもあるが、そういった時でも柔軟に対応できることで問題を難なくクリアできるというのも利点である。時代によって入居者が求める物というのは変わってくるが、時代のニーズに合った物件を建てることができるため、入居者を集めやすいというメリットもある。

低価格が魅力のアパートであっても、新築ということで高い家賃設定ができる。修繕や設備投資の面でもメリットはある。1室を購入して経営するマンション投資の場合は、新たに設備投資をしたり、修繕が必要になったりした時に、そのマンションの管理している人間の許可が必要になるケースがある。しかし、アパート経営であれば、建物の所有権が自分にあるため、修繕や設備投資に関して全て自分で決められる。

アパート投資、経営のデメリットは?

アパートの投資によるデメリットの1つに空室の問題がある。これはマンション投資においても同様だが、不動産の投資は家賃による収入が基本となるため、空室が多ければそれだけ収入も減る。ローンなどを組んでいる場合は、収入減によって返済が困難になるケースも少なくないため注意が必要だ。

一般的に空室になる原因は、利便性や間取り、設備の不足などが理由として挙げられる。そのため、この点を良く考慮することで回避することは可能である。老朽化による建て替えのデメリットもある。マンション投資が1室の購入なのに対して、アパートの投資は1棟を買うケースが多い。年月を重ねることで建物が老朽化していき、結果として物件としての魅力が低くなってしまうことも考えられる。

こうなった時に家賃の値下げをするか、建物そのものを建て替えるかという選択を迫られることになる。物件の場所によっては、年月の経過と共に周辺施設が変化することもある。購入時は利便性が高かった場所が、年月とともにスーパーや飲食店が撤退して利便性が悪くなってしまうというケースも少なくない。こういったデメリットが生じないためにも、購入時の先読みを行うことも大切である。

時代のニーズを理解する

投資の中でも、不動産投資は物件の立地や設備といった点をしっかりと考慮することで、長期的スパンで高収入を得ていくことも可能である。しかし、家賃による収入を期待するのであれば、借り手が求める物を提供することが大切になる。ただアパートを建てればそれでいいなどと考えずに、時代のニーズや利回りなど、必要となる知識をしっかりと身に付けることが、アパート経営を成功させることに繋がるであろう。