シティグループが1月30日、国内の住宅ローン事業から2018年までに撤退する方針を明らかにしたことが、アメリカン・バンカー紙を含む複数のメディアによって報じられた。

970億ドル(約10兆9707億円)相当の債権の大部分は米住宅ローン会社、ニュー・レジデンタル・モータゲージ(NRZ)に、残りはセンラーFSBに譲渡される。今後はオリジネーションに重点を置いた戦略に切り替え、利益向上を図る。

方向転換で第1四半期は452億円の損失予想

報道によると売却対象となるのはFannie Mae(FHLMC/連邦住宅金融抵当公庫)およびFreddie Mac(FNMA/連邦住宅抵当公庫)の権利78万件分。シティのリテール銀行顧客のローンはFSBが、それ以外のローンはNRZが引き継ぐ。

NRZへの譲渡完了は今年上半期を予定しているため、税引前第1四半期利益に推定4億ドル(約452億4000万円)の損失が生じるとシティは予測している。第4四半期決算報告では、住宅ローン・サービシング権利は16億ドル(約1809億6000万円) 。2009年と比較すると49億ドル(約5541億9000万円)低下。手数料による利益も大幅減少を見せている。

今回の住宅ローン撤退については、政府の支援をうけているFHLMCやFNMAのようなローンを処分することでコスト削減と事業簡潔化を図り、利益率を向上させるための戦略とされている。

譲渡完了後はオリジネーション(セカンダリー市場で売却するローン創出)に重点を置いた事業展開に専念する。

ほかの大手国際銀行同様、シティグループは近年様々な不正操作問題が明るみにでている。2014年の住宅ローン担保証券不正販を始め、金利指標不正操作、為替操作問題など、罰金総額は100億ドルを上回る。

シティは2002年、日本の住宅ローン部門・不動産担保部門も閉鎖。債権はUFJ銀行に譲渡された。(ZUU online 編集部)

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