中古マンションの中には、「ヴィンテージマンション」と呼ばれるマンションがあります。あえて「ヴィンテージ」と呼ばれるマンションは、ただの「中古」マンションと何が違うのでしょうか。
ヴィンテージマンションとは
「ヴィンテージ」とは、もともとはワインの醸造年のことです。特に当たり年のワインは「ヴィンテージワイン」と呼ばれます。そこから派生して、「ヴィンテージ」は、楽器や家具、古着などさまざまな「年代物の名品」を形容する言葉として使われるようになりました。ヴィンテージマンションも、年代物でハイクオリティな物件という理解で間違いはないでしょう。
マンションは通常、築年数が古くなればなるほど価値は下がります。しかし、建築後数十年が経っても高い人気を得ていて、むしろその古さによって価値を高めているマンションがあります。それがヴィンテージマンションです。
もちろん、建てられた時から「ヴィンテージ」だったわけではありません。当初は高級マンションとして売り出されたものが多く、高級住宅街など立地や周辺環境が良く、著名な建築家が設計しているなどデザイン性が高いことが共通しています。そして、メンテナンスがしっかり行われていて、管理状態の良いマンションが、時を経て「ヴィンテージ」と呼ばれるようになるようです。
普通の中古物件との違い
「築何年以上からヴィンテージ」といった明確な定義があるわけではありません。一般的には築10年以上の物件などと言われます。ヴィンテージと呼ばれるマンションの中には、東京五輪の頃に建てられたものもあります。人気の中心は、1965〜1975年代に建てられたものです。
本来、建築物は30年や40年でガタがくるようなものではありません。木材は時間が経つほどに乾燥して強くなります。コンクリートも水分が蒸発して強度が増すのです。購入する際、新耐震基準が施行された1981年以前の物件については耐震診断済みかどうかの確認は必要ですが、建設当時ハイグレードを謳った物件の多くは相当な建設費が注ぎ込まれており、しっかりと建てられた物件が少なくないのです。
また、高級マンションとして売り出されているので、そこに住むことは当時の住民にとってはステータスでした。そのため、自分たちの住まいに愛着を持っている住民が多く、管理組合がしっかり機能しているケースが多いのです。そのため、日々のメンテナンスや定期的な修繕工事もしっかり行われていて、築年数が古くても清潔で住みやすさが保たれています。
なぜ人気なのか、その魅力に迫る
ヴィンテージマンションが、ただの中古マンションと一線を画す最大のポイントは、デザイン性の高さでしょう。エントランスやロビーなどの共有部分から、ドアや窓などの細部に至るまで、その多くは1棟ごとに独自に設計されたものであり、建物が持つ個性や希少性がその魅力の源となっています。
建設当時、最先端だったデザインは、時を経るとともに味わい深いレトロな雰囲気を醸し出し、ヴィンテージとしての価値を高めているケースも少なくありません。中古マンションでは、築年数が古くなればなるほど価値は下がります。しかし、ヴィンテージマンションは、新築当時よりも高値で取引されることも多いので投資物件としても魅力的です。
室内の設備や水回りに関しては、最新マンションと比較してしまうと現在の生活様式にそぐわない部分もあるでしょう。ただし、ヴィンテージマンションでもリノベーションは可能なので、最新の設備にリノベーションされた後に、売りに出されている物件もあります。レトロな外観と最新のトレンドを反映した内装デザインのギャップが、新たな魅力となって若い世代から注目を集めています。(記事提供: REISM )
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