2月6日の東京為替市場は、 ドル円は112.74円で引けた。前週末の東京引けの113.12円から38銭の円高となり、東京市場としては昨年11月24日以来の112円台だった。
先週末の注目イベントである雇用統計後、NY為替市場でのドル円は、111円台後半から112円台後半まで大きく上下した。米1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比22万7000人増と市場予想の17万人を大きく上回ったものの、平均賃金が下落していた。早期利上げ期待が後退し、米長期債利回りが低下、日米金利差の縮小から円高が進行した。
その後、トランプ大統領が金融規制を見直す大統領令に署名したことで、大手銀行など金融セクターが急騰し、NYダウは5営業日ぶりに2万ドルを回復。一転、リスクオンの展開となりドル円も112円台後半まで戻した。それを受けて若干円高ではじまった東京為替市場だったが、10日に控えた日米首脳会談を見極めたいとの動きから112円台での狭いレンジでの動きだった。
7日の東京為替市場は、ドル円は112.12円で引けた。前日の東京引け比62銭の円高だった。仏大統領選候補で極右政党である国民戦線のルペン党首がユーロからの離脱を問う国民投票を実施すると公言したため、欧州の政治リスクが強く意識された。ユーロ内の仏、伊などの長期国債利回りが急騰したこともあって、欧州株式市場は大きく下げ、リスクオフとなり、ヘッジ通貨である円は買われた。東京市場では一時ドル円は111.59円まで円高が進んだ。
8日の東京為替市場は、ドル円は112.36円で引けた。前日比34銭の円安。海外で前日の円高の進行が一服し、再び日米首脳会談を控えた模様眺めの展開となった。東京為替市場でのレンジは112.04円から112.54円で、高安が50銭と小さいレンジ内の動きだった。
9日の東京為替市場は、ドル円は112.35円で引けた。前日比1銭の円高。日米首脳会談を控え、海外でドル円に利益確定の売りがでたため、朝方111円台で東京為替市場は始まり、一時111.75円高値まであった。その後、ドルは切り返し前日比ほとんど変わらないレベルで引けている。
10日の東京為替市場は、海外市場でリスクオンとなり大きく円安が進行、113.84円で引けた。前日比1.49円の大幅な円安。トランプ大統領は米航空会社幹部との会談で、今後2?3週間内に「税に関する驚くべき発表」をすると発言、もともと公言していた大型減税への期待が膨らんだ。
海外で金融市場はリスクオンとなり、米国株は史上最高値を更新した。東京市場でもリスクオンによる円安は継続、日経平均は前日比471円(2.94%)高の1万9378円で引けた。上げ幅は1月4日の大発会に次いで今年2番目の大きさ。東証1部の売買代金は2兆7569億円と今年最多まで膨らんだ。ドル円の高値は113.85円でほぼ高値引けだった。
今週の為替展望
世界的なリスクオンの進行で、日米株式市場の高値追いとともに、円安傾向が続く可能性が高そうだ。ただ、引き続きトランプ発言に警戒は必要だろう。
10日の海外市場では、前日の米大型減税への期待感からリスクオンが継続、NYダウは96ドル高の2万269ドルと、過去最高値を連日で更新した。日米首脳会談が極めて友好的に終わったことも株式市場の上げをサポートした。
ただ、10日のドル円はトランプ発言で一時円高に大きく振れた。トランプ大統領は、米中関係について「すぐに公平な競争ができる土俵をつくる」と語り、市場はドル高の牽制ととらえた。113円台だったドル円は一時112.85円まで売られた。東京引け比では1円の円高だ。NYダウが高値追いにもかかわらず、CMEの日経平均先物は円高を嫌気して、大阪市場の金曜日の引け値に対して50円安の19330円で引けている。
米国株も日本株もテクニカル的には膠着していたゾーンを上に抜けた。日本企業の10?12月期の決算発表も大半を終え、上方修正企業が下方修正企業を大きく上回るなど、円安傾向で企業業績のモメンタムは上向いていることが確認された。株式市場はリスクオンの展開となりそうだ。ドル円は金曜日の円安で100日移動平均の112.54円。200日移動平均の112.68円を抜いた。テクニカル的にも目先円安トレンドが想定される。
金曜日のNYの午後はトランプ発言で円高にふれたが、今週はメインシナリオでは円安に進む可能性が高そうだ。ドル円は12月15日高値の118.66円から2月7日安値の111.60円まで約7円下げた。半値戻しの115円どころが、目先のターゲットとなりそうだ。トランプ発言などで円高に振れた場合は、100日移動平均の112.54円がサポートとして意識したい。(ZUU online 編集部)
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