政権交代にともない浮上していた米連邦準備理事会(FRB)再編説が、ますます現実味をおび始めた。

ダニエル・タルーロ理事の4月退任発表を皮きりに、スタンレー・フィッシャー副議長の弱気発言、ベテランストラテジストの「新生FEB誕生」予想など、米経済の基盤に著しい変化の波が押しよせている。

グラント氏予想「理事会はアカデミックからビジネス・ピープルに移行」

ドナルド・トランプ大統領とジャネット・イエレン議長の金融政策が対立することは、米大統領選中から予想されていた。トランプ大統領のFEB批判が猛烈であったため、「就任後はイエレン議長が2018年1月までの任期を全うすることはないのではないか」との懸念も、方々から挙がっていた。

こうした憶測に対し、イエレン議長は中途退任の可能性をきっぱりと否定。上院から承認された任期を務めあげる意思を明確にしているが、暗雲はますます濃さを増すばかりだ

CNBCの報道によると、2月10日から3日間にわたり英ウォーリック大学で開催された経済サミットに参加したスタンレー・フィッシャーFRB副議長は、「トランプ政権下では財政政策の予想がつかない」と認める一方で、2%というインフレ目標達成に向け現在の金融政策を遂行する構えを見せた。

さらにはサミット開催初日には、2009年から就任していたダニエル・タルーロ理事の4月退任が報じられた。現時点では退任理由は明らかにされていないが、タルーロ理事がドッドフランク法の廃止・修正に強く反対していたことから、やはり政権交代の影響が引き金になったのではないかと見られている。

またBrexitを予言した米ヒルトップ・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・グラント氏は2月13日、FEBの再編は回避できないとCNBCの取材で述べている。グラント氏は「トランプ大統領には新たなFEBメンバーを3人指名する権利がある」とし、その3人が「ビジネスピープルになる」と予想している。

アカデミック出身者を理事会から減らし事業分野に長けたメンバーを増やすことで、米経済を力強く押しあげる新生FEBが結成されるとの見方だ。(ZUU online 編集部)

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