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(写真=Dora Zett/Shutterstock.com)

猫カフェや猫グッズをはじめ、メディアでも特集が組まれるほど猫ブームが続いています。ペットフード協会が行った2015年調査では、全国の犬の飼育頭数が約991.7万頭、猫は約987.4万頭と推計されています。犬が減少傾向にあるのに対し、猫は横ばいと変わらない人気が伺えます。

日本人と猫の歴史をひも解くと、古くから親密な関係を築いていたこともわかります。そこで、大切な愛猫の飼い主として知っておいてほしい、猫のかかりやすい病気を紹介します。

猫は古くから人間のパートナー

猫が日本にやってきたのは6世紀頃といわれ、仏教の伝来とともに大陸から渡ってきたと考えられています。猫といえば、ネズミとりを思い浮かべる人も多いでしょう。船で大切な経典を運ぶときに、ネズミの被害から守るために一緒に連れてきたという説が有力です。

日本の歴史をみると、平安時代に宇多天皇が飼い猫を大変可愛がっていたという記述が残っています。鎌倉時代には、ネズミから食料を守るために一般の人も猫を飼うようになったといわれています。日光東照宮の眠り猫に代表されるように、日本人にとって猫は古くから大切なパートナーとして扱われてきたといえます。

猫がかかりやすい病気を知ろう

猫は体の調子が悪くても飼い主に伝えることができません。だからこそ、病気のサインを見逃さないよう日頃から注意をはらうことが大切です。

● 慢性腎不全
高齢期の猫に多い病気が慢性腎不全です。腎臓機能が弱まると体内にたまった老廃物を尿として排泄できなくなります。初期には目立った症状がみられませんが、腎機能の低下が進むにつれて多飲多尿、体重の減少、食欲不振、脱水症状、貧血などがあらわれます。さらに病状が進むと、尿毒症となり重篤な状態となります。

慢性腎不全は、検査で早期発見し、治療することで進行を遅らせることができるといわれています。高齢期にはとくに注意して、早めに対処してあげましょう。

● 尿石症
猫は体の構造から、尿管、膀胱、尿道に結石ができやすくなっています。尿石症は結石によって尿道や膀胱が炎症を起こしている状態です。何度もトイレに行くのに尿が出ない、排泄時に痛そうにする、トイレ以外で粗相をする、血尿などの症状がみられます。

食事や運動不足などの生活習慣がかかわっているといわれ、再発しやすい病気に挙げられます。予防対策として食事内容に注意するほか、水をたっぷり飲ませるようにします。2日以上尿がたまると尿毒症となって危険な状態に陥る可能性もあるため、十分に注意してあげましょう。

● リンパ腫
リンパ腫はリンパ球の悪性腫瘍で、とくに猫に発症しやすい病気といわれています。体重の減少がみられたり、食欲不振、嘔吐、下痢、貧血、呼吸困難などの症状があらわれたりします。また、猫白血病ウイルスに感染していると、若い猫でも発症する可能性が高いことがわかっています。猫白血病ウイルスはワクチンの接種で予防することが可能です。

● 甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は高齢期の猫に多い病気の一つです。甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、動きが活発になったり食欲が増えたりすることがあるため、一見して病気と気が付かないことがあります。よく食べるのに痩せていく、多飲多尿、嘔吐、下痢、攻撃的または無気力など、性格の変化が見られるという症状があらわれます。普段と違うと感じたら早めに診察を受けるなど、早期の対応が望まれます。

● 肥大型心筋症
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が厚くなり心室が狭くなることで、血液を十分に全身に送れなくなる病気です。若い猫から高齢期の猫まで発症する可能性があるとされています。咳や呼吸の異常がみられるほか、運動を嫌がる、後ろ足が麻痺するなどの症状があらわれるようになります。症状が出たときには病気が進行している可能性もあるため、検査等で早期発見・早期治療することが重要です。

不調を伝えられないからこそ、飼い主がすべきこと

猫は我慢強い動物で、不調があってもあまり苦しい素振りをみせません。飼い主は少しの違和感にも気づいてあげられるよう、普段から猫の様子をしっかり見てあげることが大切です。

病気に対する正しい知識と早い対処で、愛猫が長生きできるよう守ってあげましょう。 (提供: 保険見直しonline

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