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(写真=Robert Mandel/Shutterstock.com)

出産にはお金がかかります。しかし、どのような出産費用がかかるのか、公的な補助制度にはどのようなものがあるのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

費用としては、出産のほかに入院などがありますが、住んでいる場所、病院、出産方法などによって費用は変わってきます。多くは自己負担ですが、公的な補助制度を利用したり、民間の保険会社の生命保険や医療保険などに加入したりすることで出産の出費に備えることができます。

今回は、出産費用を確認しながら、公的な補助制度や生命保険・医療保険でどのような出産費用がカバーできるのか紹介します。

出産費用だけじゃない。妊婦健診にもお金はかかる?

これまでは、出産のためにまとまったお金を準備する必要がありました。しかし最近は、国や自治体などの助成が充実してきています。

妊娠が分かったら、妊婦健診を受けます。初期の妊娠から出産まで何回健診を受けるかというと、厚生労働省の妊婦健診Q&A によると、妊娠から出産まで14回の妊婦健診が望ましいとのことです。

妊婦健診の費用は個人差があります。自治体によっては妊婦健康診査費用助成をしているところもありますので、どのような助成を受けられるのか、お住まいの自治体の窓口で聞いてみるとよいでしょう。助成を受けられれば、自己負担金額は軽くなります。

自然分娩と帝王切開での費用の違い

出産にかかる費用は、病院や部屋のタイプ、自然分娩か帝王切開かによって大きく異なります。

自然分娩は自然の流れに沿った分娩のことです。ただし、陣痛促進剤やバルーンを使っても自然分娩という考え方もあり、明確な定義はありません。帝王切開は、自然分娩が難しいときに選択する出産方法で、外科的手術によって出産します。事前に医師の診断によって行う「予定帝王切開」と、出産の途中でトラブルが発生して行う「緊急帝王切開」があります。

どちらの出産方法にも「分娩費用」「入院費用」「新生児管理保育料」「検査・薬剤料」「処置・手当料」などがかかりますが、帝王切開の場合、別途「手術・処置料」などが加算されます。帝王切開の手術の費用は地域や医療機関に関わらず、22万2,000円(32週未満の早産の場合などは20万1,400円)です。

自然分娩と違い、帝王切開にかかる手術費などは医療行為になるため、保険が適応されます。また、自然分娩に比べて帝王切開の方が入院日数は長くなる傾向があるようです。

出産時に利用できる公的な補助制度

出産には、まとまったお金が必要なことはイメージできたと思いますが、日本では誰でも安心して出産できるように公的な補助制度が充実しています。その一例を紹介します。

● 出産育児一時金
公的な健康保険に加入している人は、42万円(産科医療補償制度対象出産以外は40万4,000円)の出産育児一時金が給付されます。このお金は、健康保険から病院などに直接支払われることが原則となっています。しかし、病院などによっては直接支払制度を導入していないところもあるので、早めに確認しましょう。

● 医療費控除
医療費控除とは、1年間で1世帯の医療費の支払いが10万円以上になった場合、確定申告で税務署に申請するとお金が戻ってくるものです。

● 高額療養費制度
高額療養費制度とは、1ヵ月に医療機関や薬局の窓口で支払った金額が一定額を超えた時、加入している健康保険組合に申請すると超えた金額が支給されます。

最近では、各自治体が妊娠から出産まで助成する制度もあるので、妊娠がわかったら早めに窓口に聞いてみましょう。

出産に備えて入るべきは生命保険?医療保険?

公的な補助制度があっても、万一に備えて保険に加入したい人もいるでしょう。出産に備えて加入するなら、生命保険よりも医療保険がおすすめです。

生命保険は、被保険者が死亡または高度障害になった時、死亡保険金または高度障害保険金が支払われるものです。生命保険自体には入院に対する保障はありませんので、自分で特約を付ける必要があります。医療保険は、主に病気やけがの治療、入院時にかかる費用を準備するためのものです。公的な医療保険と、民間の保険会社が販売する医療保険があります。

出産の場合、自然分娩は公的な医療保険では対象外ですが、帝王切開の手術は医療行為にあたるため、公的な医療保険が使えます。

事前に保険の見直しを

・ 出産には、出産や入院以外にも妊婦健診などの費用がかかる
・ 出産には自然分娩と帝王切開があり、帝王切開には手術費用がかかる
・ 出産時に利用できる公的な補助制度は出産育児一時金、高額医療費控除、高額療養費制度などがある
・ 出産に備えて加入するなら、民間の医療保険がお勧め

病気やケガに備えて民間の医療保険に入っている人も多いのではないでしょうか。出産でも帝王切開など外科手術を受けた時の入院に備えられるということを覚えていると、万一の時に安心です。家族が増える前に、保険を見直してみてはいかがでしょうか。(提供: 保険見直しonline

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