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(写真=Lane V. Erickson/Shutterstock.com)

マンション投資にはメリットがある一方、様々なリスクがある。なかでも気をつけたいのが「空室リスク」だ。仮にどんなに表面利回りの良い物件であっても、部屋が空室であれば収入は発生しない。そんなマンション投資の収益に直接的に影響する空室リスクについて解説する。

「区分マンション投資」「一棟マンション投資」と空室リスク

マンション投資には大きく分けて、「区分マンション投資」と「一棟マンション投資」がある。前者の場合、購入した一部屋が空室となれば、収入はゼロとなる。後者の場合は、部屋が複数あるため、居住者が一斉に退居する可能性は低い。同じ条件・場所で投資すると仮定すれば、一棟マンション投資の方が、区分マンション投資よりも空室リスクを分散できていると言える。

その一方、一棟マンションは特定の土地にすべての部屋が集中しているため、仮に近隣に新しいマンションが建設されたり、もともと存在した学校や工場が別の場所に移転したりすると、一気に空室リスクが高まる恐れがある。反対に、新たに学校や工場が建設されたり、近くに大型商業施設ができたり、鉄道や高速道路などインフラが整備されたりすると、その土地の魅力が増し、稼働率が向上する可能性がある。

このように、ポートフォリオを特定の地域に集中させることは、良くも悪くも外部環境の影響を大きく受けるということを押さえておきたい。

分散が投資の基本

投資全般に共通することだが、リスクを回避するためには、分散投資を意識したポートフォリオの構築が重要だ。不動産投資の中で言い換えると、所有物件の地域を分散することと言える。

区分マンション投資は、一棟マンション投資に比べて購入金額が低いことが多いので、立地の異なる物件を購入しやすい。しかし、そうは言っても複数の物件を所有するためには物件探し、資金繰り、購入手続きと超えるべきハードルも多い。ひとつの物件に投資すると仮定して、空室リスクを回避するためにはどうすればいいだろうか。

分散以外に空室リスクを低減するためには

空室リスクを低減するためには都市部など人口の多いエリアに立地するマンションへ投資をすることだ。都市部と比べ人口が少ない地方のように、賃貸需要が少ないエリアへの投資は空室リスクが高い傾向がある。その一方、それが故に地方物件は満室時の表面利回りが高い傾向があり、その地方に精通しているなどの理由で高い稼働率を保つ自信がある人は、地方物件にチャレンジしてみてもよいかもしれない。

またパートナーとなる管理会社選びも空室リスクを避ける上で重要な要素だ。管理会社によって入居者と空室を結びつけ契約する力は異なる。管理会社がどの程度の入居率を実現しているか、入居者の募集にどれほど力を入れているかを確認しておくと良いだろう。

入居者を募集する際に、珍しい特徴を打ち出すことによって競合物件と差別化を図ることもひとつの手だ。最近はペットと一緒に快適に過ごせる部屋や、時間を気にせず室内で楽器演奏ができる防音マンションなども登場している。そのような設備を整えるには時間と費用がかかるが、個性がある物件のため周辺物件との賃料の価格競争に陥りにくいことも魅力だ。

投資の際には空室対策を

日本全体で人口の減少が進む中、マンション投資を成功に導くためには、いかに空室リスクを回避するかがますます重要になってきている。物件選びの段階から空室リスク対策にもしっかり配慮することができれば、より安定した収入が期待できるだろう。 (提供: みんなの投資online

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