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(写真=Unuchko Veronika/Shutterstock.com)

資産運用を行う際に、すべての資金を株式で運用する方や、すべての資金を不動産で運用する方は少ないのではないでしょうか。知らず知らずのうちに分散投資を実践し、中にはポートフォリオの作成ができている方もいます。その一方、分散投資はなんとなくできているものの、ポートフォリオが目的に合っていないといったケースもあります。では、ポートフォリオとはそもそも何なのでしょうか。

ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、資産の組み合わせのことを意味します。株式や投資信託、不動産などそれぞれで資産全体のうち何%保有するか、その構成割合を示すといってもよいでしょう。

ポートフォリオは、どのようなリスク・リターンのある運用を行いたいか、という運用を行う人のリスク許容度によって異なってきます。「積極運用型」「安定・成長型」「安定型」と、大きく3つにわけて説明していきましょう。

積極運用型とは、株式の比率を高めにするなどリスクも大きいがリターンも大きくなるように資産を構成したものです。値動きの幅が大きくなるため、安定度合いは低くなります。積極運用型は、長期投資を行える若年世代や、余裕資金で運用するケースに向いているといえます。

安定・成長型とは、安定性も得つつ収益も追求するものです。例えば、株式や債券、不動産を同じ割合ずつ保有し、リスクを分散させながらリターンをとりにいくケースが該当します。安定・成長型は、これから老後資金を準備する40~50代や、リスクはそれほどとるつもりはないものの、リターンはある程度得たいと考える層に向いているといえます。

安定型とは、株式や不動産よりもリスクが低くなる債券の比率を高め、安定的に運用を行うものです。例えば、国内債券を全体の60%、日本株式と外国株式を合計で15%、不動産15%、外国債券10%といったケースが該当します。国内債券60%の中に、預貯金を含んで考える場合もあります。安定型は、ある程度老後資金を確保しているものの多少リターンを得たい50代以降の方や、リターンがやや低くなってもリスクを下げたいと考えるケースに向いているといえます。

ポートフォリオの必要性

こうした資産の組み合わせは、その後の資産運用における収益に大きな影響を与えることになります。また、どのような資産を組み合わせるかで、リスクとリターンの関係性が異なってきますし、それがリスク分散にも影響を与えます。

「一つのカゴに卵を盛るな」という格言があるように、資産を複数に分けて保有することは資産を増やすだけではなく、減らさないといった観点からも有効な資産運用方法です。そのため、どのようなポートフォリオを組むかは真剣に検討しなければなりません。

ポートフォリオの作成方法

積極的な運用スタイルで行くのか、安定的に運用を行いたいのかによって、最終的に上記3つのスタイルに集約されます。積極的な運用であれば、株式や不動産の比率が高めとなります。安定的であれば、債券や預貯金重視の資産構成となります。

各運用商品の比率を具体的にどうするかは、ご自身で決めるか、資産運用のプロに相談されるとよいでしょう。ご自身ではわからなかった新たな気づき、例えば安定型よりも安定・成長型の方が向いている、などを知ることができるかもしれません。

ポートフォリオは見直しも不可欠

ポートフォリオは、一度決めたらそれでよしというわけではありません。その後のライフスタイルの変化や資産運用状況などに応じて、見直しをする必要があります。こうした見直しは資産運用を行い始めた当初は、どうしてよいかわからないことでしょう。ライフサイクルやライフプランにあわせて見直しを行うために、フィナンシャル・プランナーなどの様な専門家に相談に行ける関係をつくっておくと良いでしょう。