2月23日に米信用格付け会社、Moody'sが発表したレポートから、ドイツの2016年の経済成長率が1.9%とG7国中最も高かったことが明らかになった。

2014年以降首位を独走してきた英国は1.8%で2位に後退。政権交代で揺れる米国は日本と並び1.6%、大統領選挙戦をひかえたフランスは1.1%、銀行破たん問題を抱えたイタリアは1.0%の成長率だった。

期待される米経済成長はトランプ政策次第?不透明感強まる英経済

経済成長の伸び悩みが続いていたドイツだが、2016年は雇用、製造などで大幅な改善が見られ堅硬な経済基盤を証明した。一人当たりのGDP(国内総生産)でも1.9%と、米国(1.2%)や英国(1.1%)に大きな差をつけた。

しかし国際通貨基金(IMF)による2017年の成長率予測は、米国が2.2%の伸びを期待されているのに対してドイツは1.4%にとどまっている。市場では米国の見とおしが新政権に影響されるという見方が強い。

EU離脱決定後も予想外の成長速度を維持してきた英国は、インフレの急上昇から消費者支出が失速。Brexitの影響が本格化すると予想されている2017年、この傾向はさらに強まると懸念されている。

これまで順調だった英国のGDP成長は消費者支出への依存性が高かっただけに、今後さらなる低迷期に突入する可能性は否めない。

EU離脱交渉の行方は勿論、昨年の無担保債務総額が2008年以来最高水準となる3490億ポンド(約49兆1788億円)に達していることが英国家統計局から報告されているなど、英経済には不安材料が山積みだ。

その反面、「貿易交渉さえ上手にとりつければ、2020年には成長率が回復している」というPwC(プライス・ウォーター・ハウスクーパース)のような楽観的な見方もでており、国全体に不透明感が漂っている。

Moody'sはドイツの2017年見通しを1.6%(0.1ポイント増)に上方修正する一方で、欧州圏では唯一英国の予想を1.0%(0.7ポイント減)まで引きさげた。IMFも1月、1.1%に下方修正している。(ZUU online 編集部)

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