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(写真=shigemi okano/Shutterstock.com)

借り上げ社宅とは、企業がアパートなどを借り上げ、従業員に社宅として提供するものです。従業員が賃貸にかかる初期費用を抑えることができるだけでなく、企業にも税法上のメリットがあります。

それでは、この借り上げ社宅を契約するときに必要な敷金は、誰が支払うのでしょうか。今回は借り上げ社宅の敷金について考えていきましょう。

借り上げ社宅とは

通常、社宅とは企業が所有している建物や建物の一部を従業員に提供することをいいます。しかし、社宅とひとくちにいっても、その形態はさまざまです。部屋だけが独立して食堂や風呂などは共同使用という社員寮に近いタイプ、マンションの一室のように独立したタイプ、そして一戸建てタイプなどがあります。

借り上げ社宅の場合は、企業が不動産業者から賃貸物件を借り上げ、社宅として提供します。用途が借り上げ社宅の契約であっても、賃貸借契約であることに変わりはないため、敷金や礼金などの費用が発生します。

社宅は会社の福利厚生、敷金などの費用負担をどうする?

社宅は、企業から従業員に提供される福利厚生の一つなので、企業と従業員が賃貸借契約を結ぶのではなく、企業が不動産業者と賃貸借契約を結びます。そのため、敷金や礼金の費用を負担するのは、基本的には企業ということになります。もっとも、社宅の費用負担について法的に定めがあるわけではありません。そのため、社内規定で定められている場合は、それに従うことになります。

ハウスクリーニングや修繕費はどうするか?

賃貸物件の場合、退去時に汚れがあったり、修繕が必要であったりする場合には費用が請求されます。例えば、畳の汚れがひどい場合は取り替えが必要になるため、畳代金が請求されることになります。その他、ドアノブや鍵が壊れてしまった場合も修理代を支払う必要があります。このような場合の費用は敷金から差し引かれ、残額がある場合のみ返還されることが一般的です。逆に、敷金よりも高額な費用がかかった場合は、差額が請求されることになります。そのため、敷金が満額返還されるケースは少なくなっています。

借り上げ社宅の場合においても、クリーニングや修繕費は敷金から差し引かれることが一般的ですが、その金額の負担について特に法的な決まりはありません。そのため、企業が支払うか従業員が支払うかは、個々の企業の規定に従うことになります。例を挙げて考えてみましょう。

・ 敷金は企業が契約時に負担している
・ ドアノブが故障したため業者に修理を依頼した
・ ハウスクリーニング代や修繕費は従業員負担という規定がある

このような場合、ドアノブの修繕費を差し引いた敷金が企業へ返還され、企業は従業員に修繕費を請求するという対応が考えられます。従業員が自身で賃貸物件を借りている場合、こうした費用は当然ながら自己負担になります。ハウスクリーニング代や修繕費は使用する人によって差が出るため、この費用については従業員負担の方が不公平にならないかもしれません。

社内規定をしっかりと定めておく

借り上げ社宅の契約は企業と不動産業者の間で行われる賃貸借契約です。敷金や礼金などは企業の負担となります。社宅は福利厚生の一環であるため、企業と従業員との賃貸契約ではありません。そのため、基本的には従業員が敷金などの費用を負担することはないかもしれません。

しかし、住居として利用していく以上、さまざまな問題が発生する可能性があります。社内規定で、ハウスクリーニングや修繕費の費用負担に関する条件を定めておくことで、いざというときに従業員とのトラブルを避けることができるでしょう。(提供: フクリ!

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