住宅手当の金額は、企業ごとに差があります。どのくらいの金額を住宅手当として従業員に提供すればよいのか、金額の見直しを検討している場合は他社の状況も気になるところです。
今回は、住宅手当の相場について分析していきましょう。
住宅手当の相場ってどのくらい?
住宅手当とは、企業から従業員に対して提供される住宅に関する福利厚生です。家を購入した際の住宅ローンの支払いに対する補助、アパートやマンションなどの賃貸物件に入居している場合の家賃に対する補助があります。
厚生労働省が調査した「平成27年就労条件総合調査」によると、45.8%の企業で住宅手当が支給されており、その平均支給金額は1万7,000円となっています。この調査から半分以上の企業ではそもそも住宅手当が支給されていないことがわかります。
大企業の住宅手当はどれくらい?
業種によって異なりますが中小企業庁の定義によると、大企業とは資本金が3億円を超える企業、または従業員が300人を超える企業と考えることができます。この定義に従って、「平成27年就労条件総合調査」の統計をみてみると、住宅手当の支給額は1,000人以上の企業が平均1万9,333円、300人から999人の会社が1万7,818円と平均の1万7,000円より高くなっています。
また、支給割合に関しても59.7%と平均値の45.8%よりも高い割合となっています。逆に100~299人の企業は55.3%、30~99人の企業は41.4%と平均よりも低くなっています。ここから大企業と中小企業の住宅手当には、支給割合や金額の面でひらきがあると考えることができます。福利厚生にかかる費用は企業にとって負担になるものであり、住宅手当も例外ではありません。そのため、資金に余裕がある大企業でないと、なかなか支給できないということが考えられます。
住宅手当の状況を業種別にチェックしてみよう
それでは、業種別に支給状況をみていきましょう。「平成27年賃金事情調査』によれば、学術研究、専門・技術サービス業の支給割合が63.9%、医療・福祉が63.7%、電気・ガス・熱供給・水道業が60.6%と高い割合となっています。その他、情報通信業や不動産業も50%台を維持しています。サービス業(他に分類されないもの)や飲食業は30%前後となっており、業種により開きがあるという結果になりました。
支給額でもっとも高いのは情報通信業の2万5,312円、続いてサービス業(他に分類されないもの)の2万3,480円となっています。サービス業では支給割合は低いものの、支給額は高めということが分かります。支給割合のもっとも高かった学術研究、専門・技術サービス業は1万9,808円と金額的には平均に近い値となっています。
住宅手当は同じ会社でも異なる?
住宅手当の支給状況は同じ社内でも異なることがあります。「平成25年賃金事情調査」の『産業別住宅手当制度の有無、扶養の有無、住宅の種類及び平均支給額』によれば、扶養の有無や住宅の種類によっても支給額が異なっています。
さらに、同じ条件であっても支給額は定額ではなく、社内で幅があると回答している企業も多くありました。従業員によってライフスタイルが異なるため、個々の事情に応じて柔軟な姿勢で支給額を設定しているようです。
約半数の企業で住宅手当が支給されている
住宅手当は企業から従業員に提供される福利厚生の一つですが、支給される金額が大きくなると、企業にとって大きな負担になります。そのため、支給額を変更したり、支給制度を廃止したりする企業もあるようです。
しかし、約半数の企業で住宅手当が支給されていないなかで、制度を充実させていくことができれば、より従業員の満足度を高めることができるかもしれません。住宅手当の充実と費用のバランスを考えながら、少しずつ福利厚生を充実させてみてはいかがでしょうか。(提供: フクリ! )
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