(写真=PIXTA)
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日本銀行がマイナス金利政策を導入して1年が過ぎた。トランプ米大統領の登場で、やや上昇気味とはいえ、金利は過去最低水準で推移している。金融機関などの機関投資家では少しでも高い金利を求めてマネーがさまよう「サーチ・フォー・イールド」が一般的となり、個人投資家の間でも預金に代わる金融商品を求める人が増えている。

そんな状況で、いま注目されているのが、再生可能エネルギーの代表的な存在として知られる「太陽光発電投資」だ。今回はその「太陽光発電投資ファンド」について解説する。

太陽光発電投資ファンドとは

太陽光発電投資は、再生可能エネルギーの切り札として、近年、急速に普及しつつあるビジネスだ。そのきっかけになったのは2012年からスタートした「固定価格買取制度」と言われている。太陽光発電によってつくられた電力を最長20年に渡って固定価格で買い取る制度だ。いわば政府の買取保障制度と言って良い。国をあげて太陽光発電の普及を後押ししているわけだ。

そんな状況で登場してきたのが「太陽光発電投資ファンド」だ。ファンドというのは「基金」という意味だが、一般的には、不特定多数の投資家などから資金を集めて、多額の資金が必要な運用や事業を運営する仕組みを指す。出資者は、その事業によって得た利益を分配金として受け取る。

太陽光発電投資のネックは、ビジネスを開始するのに多額の初期費用がかかることだった。土地を購入して、太陽光発電の設備を設置するとなると、1000万円単位で資金が必要な場合もある。しかし、太陽光発電投資ファンドという形を取ることで、少額からでも投資ができるようになったのだ。

エコスタイルの「エコの輪ファンド」

たとえば業界大手のエコスタイルが取り扱っている「エコの輪ファンド」は、運用期間が5年、10年、20年などいくつかに分かれているものの、「目標利回り」は5.5~6.0%程度、最終的にどの程度の分配金を出すかを示した「目標分配率」では125〜135%程度(税引前)となっている。

最低出資金は10万円。太陽光発電投資に10万円から参入できるというわけだ。なお、目標利回りは事業開始前に策定された事業計画を基に算出されるが、実際の利回り(実績値)は、太陽光発電事業の成果によって決定される。売電事業は天候などによって収益が左右されるために、目標利回り通りの運用益が得られるわけではない。目標利回りや目標分配金に対して、実績値が上回ることもあれば、達成できないこともある。

太陽光発電投資のメリット・デメリット

最後に太陽光発電投資ファンドのメリット、デメリットを改めて確認しておこう。

<メリット>
・1口10万円程度の少ない資金で投資できる
・環境にやさしく、将来性の高い「再生可能エネルギー」に投資できる
・政府が買取を保障する「固定価格買取制度」が存在する
・そのため高い運用利回りが期待できる

<デメリット>
・元本保証ではない
・利回り保証ではない(日照時間に左右される)
・天候リスク(日照時間、落雷、台風、豪雪など)がある

太陽光発電投資は、稼働後も定期的なメンテナンスが必要であり、管理を任せるパートナー企業の選定も重要になってくる。信頼できるパートナー企業を見つけることができれば、太陽光発電投資は、低金利で運用難にあえぐ投資家にとって、大きな力となるだろう。