ヴァージン・マネーがRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)と提携し、SME(小企業)向けの融資事業を設立することがファイナンシャル・タイムズ紙の報道から判明した。
2016年の経常利益は前年から5600万ドル(約78億991万円)増の1億9400万ポンド(約270億5577万円)と、絶好調のヴァージン。中でもクレジットカード事業が急成長中していることから、融資部門の拡大に踏みきった。

売上の8割がオンライン経由 住宅ローンも好調

ヴァージンにとってSME融資市場進出は、昨年の英EU離脱国民投票以来、二度目の挑戦となる。Brexitの決定にともなう英経済や市場の不透明さを理由に、一旦白紙に戻していた。しかし予想以上に英経済が持ちこたえている一方で、融資への需要が高まっている現状をうけ今回の決断を下した

ヴァージン・マネーは英多国籍企業、ヴァージン・グループの金融部門として、1995年に設立された。英国を基盤に、貯蓄口座から住宅ローン、保険、投資など幅広い銀行業務を行っている。

3月2日に発表された決済報告書によると、クレジット事業は昨年から55%増。24億ポンド(約3347億5684万円)に成長し、2017年の目標である30億ポンド(約4184億4606万円)に、あと少しで手が届く勢いだ。

住宅ローンも市場シェアの11%に値する45億ポンド(約6276億6909万円)を記録。大規模なデジタル化が追い風となり、昨年の売上の82%がオンラインによるものだったという。

しかし0.25%という低金利が、ヴァージンを含む英銀行の利益を縮小しているのも事実である。それに加え、Brexitによる今後の影響も懸念される。ヴァージンは「直接的な影響は心配していない」と強気な姿勢を見せる反面、「長期的な影響についてはまだ予想がつかない」と慎重な構えだ。

決済情報サイト「PYMNTS.com」は、ヴァージンがRBSの支援をうける一方で、現在売り出し中の英協同組合銀行、 コーオペラティブ銀行の買収も検討していると報じている。(ZUU online 編集部)

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