日本銀行は政策委員会・金融政策決定会合を開催し、当面の金融政策運営に関して、長期金利は10年物国際金利がゼロ%程度で推移するように、年間増加額約80兆円をめどとして長期国債の買い入れを行うほか、短期金利に関してもマイナス0.1%に据え置くという現状維持政策を決定した。

景気は穏やかに回復傾向だが、長期金利はゼロ%程度を据え置き

あわせて、長期国債以外の資産買い入れ金額に関しても決定している。ETFは保有残高が年間約6兆円、J-REITに関しては年間約900億円に相当するペースで増加させる。また、CP(コマーシャルペーパー/短期・無担保約束手形)等約2.2兆円、社債等約3.2兆円の残高を維持するというものだ。

長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)に関しては9人の政策委員のうち黒田東彦総裁をはじめ、岩田規久男副総裁など7人が賛成し、2人から反対意見が出された。反対意見は「現状の金利政策では期間10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねない」(佐藤健裕審議委員)、「短期政策金利はプラス0.1%が妥当」(木内登英審議委員)というものだが、少数意見にとどまった。

景気は前回と同じで「穏やかな回復基調」を続けていて、「国内需要も穏やかな増加基調」にあるとしている。ただ、物価面では消費者物価(除く生鮮食品)の前年比が0%程度で「予想物価上昇率は弱含み」の局面が続いていると判断した。

物価が2%上昇するまでは金融緩和政策を継続