日本銀行は政策委員会・金融政策決定会合を開催し、当面の金融政策運営に関して、長期金利は10年物国際金利がゼロ%程度で推移するように、年間増加額約80兆円をめどとして長期国債の買い入れを行うほか、短期金利に関してもマイナス0.1%に据え置くという現状維持政策を決定した。

景気は穏やかに回復傾向だが、長期金利はゼロ%程度を据え置き

あわせて、長期国債以外の資産買い入れ金額に関しても決定している。ETFは保有残高が年間約6兆円、J-REITに関しては年間約900億円に相当するペースで増加させる。また、CP(コマーシャルペーパー/短期・無担保約束手形)等約2.2兆円、社債等約3.2兆円の残高を維持するというものだ。

長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)に関しては9人の政策委員のうち黒田東彦総裁をはじめ、岩田規久男副総裁など7人が賛成し、2人から反対意見が出された。反対意見は「現状の金利政策では期間10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねない」(佐藤健裕審議委員)、「短期政策金利はプラス0.1%が妥当」(木内登英審議委員)というものだが、少数意見にとどまった。

景気は前回と同じで「穏やかな回復基調」を続けていて、「国内需要も穏やかな増加基調」にあるとしている。ただ、物価面では消費者物価(除く生鮮食品)の前年比が0%程度で「予想物価上昇率は弱含み」の局面が続いていると判断した。

物価が2%上昇するまでは金融緩和政策を継続

2016年秋以降海外の景気が「穏やかな成長が続いている」ため、輸出が持ち直しており、円安、原油価格の上昇などにより、2017年1月の物価上昇率は前年比プラス0.1%と1年1カ月ぶりにプラスになった。今後もこの傾向は続き、政府の「安定物価の目標」物価上昇率プラス2%へ向けて上昇率を高めていくというのが日本銀行の考えだ。

しかし、アメリカや中国、イギリスのEU離脱、欧州の金融問題、資源国経済などの経済動向が不透明だ。これらがリスクとなり、日本経済に影響を及ぼす可能性がある。それに加え弱含みで低調な物価上昇の現状では、「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年上昇率が安定的に2%を超えるまで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する必要がある、との認識で今回の決定になった。

金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁は、長期金利目標の引き上げについて「物価上昇率が1%に達すれば引き上げるとは機械的に考えない」と明言し、ひとつの指標だけで機械的に引き上げるのではなく、さまざまな要因を総合的に判断するという。

米国の利上げにより、日米金利差の拡大により長期金利の引き上げがあるとの観測が出ている中、「海外の金利が上がったからといって、国内の金利を引き上げることは考えていない」とも語り、当面の金利引き上げはないとの判断を示した。(ZUU online 編集部)

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