「大阪の女性は結婚願望が強い?」--。

ある調査によれば、大阪は東京に比べて「いい人がいればすぐにでも結婚したい」と思っている女性が多いという。その理由とは? 各都市による結婚観の違いなどを比較しながら、今どきの結構願望を探ってみた。

実は大和撫子な大阪女性?

イオングループの婚活・結婚相談所ツヴァイは、東京都と大阪府に住む女性の結婚観の違いをリポートした。

「いい人がいれば明日にでも結婚したいか」という問いでは、48.7%の大阪女性がYESと回答。大阪女性の2人に1人は結婚に前向きであることがわかり、東京女性の34.0%とは10ポイント以上の大きな隔たりを見せた。

また「結婚をする理由」に関しては、大阪女性の32.0%が経済的な安定を求めており、東京女性の24.0%と比べて安定志向でも差があることもわかった。とはいえ“安定”の中身を見ると、東京の女性が「収入」を重視するのに対して、大阪の女性が重視するのは「金銭感覚」。見た目やステータスにお金をかけたがる東京に比べて、あくまで堅実背に重きを置く生活重視の大阪女性の結婚観がうかがい知れる。

また結婚生活において重視する要素として、大阪の女性は「家族との相性」、「地域とのつながり」、相手の職業は「堅実なサラリーマン」をあげる割合が多かった。また「結婚したら、相手より少し下がってついていきたい」という設問に対しては、 45.0%の大阪女性が「そう思う」、「ややそう思う」と回答。東京の女性と比べて、大阪女性は夫を立てる大和撫子の傾向があることも分かった。

大阪女性は現実的で家庭的?

全国平均での結婚の実態を見ると、1950年の初婚年齢は夫25.9歳、妻23.0歳だったが、2011年には夫30.7歳、妻29.0歳と晩婚化が進んでいる。ちなみにアメリカは夫30.5歳、妻28.8歳なので、日本とほとんど変わらない。

各都道府県の初婚年齢ランキングを見ると、女性で結婚が最も早いのは福島県で27.8歳。次に熊本県、佐賀県、沖縄県、山形県が28.3歳と続く。

逆に女性の初婚年齢が遅いのは 東京都の30.1歳、神奈川県の29.6歳、京都府29.3歳である。

結婚年齢が遅い東京・神奈川・京都の3県は、いずれも大都市圏。都会に住む女性は雇用機会が多く、また女性の能力を認めてくれる職場環境もある。それだけに「結婚より仕事」「結婚しなくても仕事」という意識が生まれやすいのだろう。

ただし同じ大都市でも、大阪の晩婚化はそれほど進んでいない。その理由として、やはり大阪女性の結婚観が大きく左右しているようだ。

京都府在住の未婚女性200人を対象に、婚活・交際・結婚についてアンケート調査を実施したパートナーエージェントでは、すでに実施済みの、東京・大阪での調査との比較を発表している。

「結婚相手に対して重要視することは何か? 」という問いに対して、東京・大阪・京都のすべてで90%以上の女性が「性格」と回答しており、“性格の一致”という結婚観は、日本全国共通のようだ。

ところが前述したようにお金に関する質問では、東京の女性は「収入」、大阪の女性は「金銭感覚」を重視する傾向があった。また「自分の両親との良好な関係」という項目では、大阪・京都は東京に比べて高く、核家族化、個人主義化が進む東京に対して、家族重視という傾向が浮かび上がっている。

このほか「理想の夫婦像」は、東京では個性重視、共通の趣味重視を重視する女性が多かった。決して依存し合うのではなく、相互に自立した夫婦関係を築くことこそ、東京スタイルといえるのだろう。

これに対して大阪では「笑いのツボ重視」を選んだ女性が圧倒的に多かった。これはもう土地柄、としか言いようがないだろう。

また京都では意外にも「リラックス」を重視する女性が多かった。“本音と建前”の隔たりが大きいといわれる京都女性だが、実は家庭くらいはリラックスしたいと思っている、ということなのだろう。

地域別の結婚観を知るのは婚活の必須条件?

全国的にも晩婚化は進んでいるが、とはいってもいずれは結婚したいと考える未婚者は、男性86.3%、女性89.4%と依然として高い(国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第14回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査(独身者調査)」)。

つまり晩婚化はしていても、本当は結婚したいと思っている男女は多いのだ。

結婚生活の前提となる価値観は、夫婦の職業意識、家族や親戚との向き合い方、地域社会との関わり、子育ての仕方など、多様に広がっている。こうしたさまざまな選択肢の中から、自力で理想の結婚相手を見つけることは現代ではなかなか難しい。

最近の婚活イベントなど盛況ぶりなどを見ても、逆に結婚観の合う相手を見つけることの難しさを反映しているといえる。

その意味でも、見かけや現時点での収入や社会的地位ではなく、性格をはじめとした内実をよく見極め、さらには地域別の結婚観など前もってよく理解しておくことが、これからの婚活においてはますます大切になってくるといえそうだ。(ZUU online 編集部)