日本の富裕層にも高い人気を誇る英マクラーレン・オートモーティブが、新型のスーパーカー「720S」モデルを発表した。2017年3月にジュネーブ国際モーターショーで披露してからわずか、その卓越した性能から早くも注目を集めている。

F1の名門チームとして培った技術を搭載した720Sは、マクラーレンの先駆的な精神を象徴した1台で、車両価格は何と3338万円。しかし、価格も去ることながら、そのスペックの高さが話題を呼んでいるのだ。

わずか2.9秒で時速100キロに到達

前モデルの650Sから車体の軽量化に成功し、より速く、高い性能を兼ね備えて進化した第2世代のスーパーシリーズとなった720Sは、目を見張るようなパフォーマンスで圧倒する。

文字通り720馬力のエンジンが搭載された新車は、停止状態から時速100キロのスピードまで加速するのにわずか2.9秒しかかからないのだ。日本国内の公道では体感できないが、最高速度は時速341キロに到達。さらに、加速だけでなく減速機能にも秀でており、時速200キロの走行状態から4.6秒で停止することができるという。

軽量で高剛性の炭素繊維を車体に取り入れたことで、車両重量を1283キログラムに抑え、軽量化された新車両では燃費も向上し、10.7リットル当たりで走行距離100キロ、二酸化炭素の排出量は1キロあたり249グラムにとどまる。

車内の「ラグジュアリー感」漂わせる高級レザー

一段とレベルアップした性能は、従来型のエンジンの41%の部品を変更して新たに採用された、V8ツインターボ・エンジン「M840T」型4.0リッターを搭載したことで実現した。さらに、カーブが続く山道など様々な路面状況に合わせて、グリップ力を最大限に設定することができ、720Sの自慢の加速・減速力に対応した操作性をドライバーに提供する。

高い性能に加え、720Sが注目を集めるは、その洗練された車体デザインだ。ホホジロザメからインスピレーションされたフォルムは、なでるように流れるボディラインで表現され、美しさすら感じるシルエットを浮かび上がらせる。

鳥が翼を広げるように開くディヘドラルドアを採用し、車の乗り降りをエレガントに演出してくれる。さらにそのこだわりは車内の内装にも及ぶ。アルミのスイッチギアが取り入れられたキャビンに、その空間が車内であることを忘れさせてくれるような高級レザーがラグジュアリー感を漂わせる。キーワードとなったRaise your limits (限界を引き上げる)にふさわしい、飛躍的な進化を果たした。

セレブも虜にするマクラーレン 過去にはビートルズのアノ人も

マクラーレンがハイスペックのスーパーカーを製造できるのは、F1、インディアナポリス500、ル・マン24時間という世界3大レースの世界で培った技術に裏付けされる。

F1の世界においては、アラン・プロスト、アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネンなど伝説のドライバーたちがマクラーレンのハンドルを握り、輝かしい実績を残してきた。

そのマクラーレンがロードカーの開発に乗り出したのは1989年。この年は、F1で16戦15勝と圧倒的な強さを見せつけ、カーレーシングでの実績を引き下げて世界最高のロードカーの製造に踏み切った。

ミリ単位の妥協を許さないデザインで空気抵抗を押さえたボディーに、BMW製のエンジンが搭載されたスーパーカー「マクラーレンF1」の完成までには、4年の歳月を要した。

当時、最速の加速性能を誇り、エンジンベイの周囲には熱を反射させるために純金が敷き詰められ、最高の技術を凝縮して世に送り出したマクラーレンF1は、1億円をくだらないといわれた販売価格もさることながら、世界で製造されたのがわずか106台というプレミアム感も、マニアのみならずセレブも虜にした。ビートルズのジョージ・ハリスンもその所有者に名前が挙がるほどだった。

さらに、画期的な技術を搭載しながらも、値段を抑えたスポーツカーの市場を開拓する戦略を進め、2011年にマクラーレンF1以来となる「マクラーレン12C」モデルが誕生した。

今回発表した720Sのスーパーシリーズのほか、スポーツシリーズ、アルティメットシリーズの3つのシリーズを展開し、ロードカー市場にも積極的に乗り出している。

F1をはじめとするカーレーシングで築き上げた技術、一切の妥協を許さない製造過程を考慮すれば、3000万円超のスーパーカー・マクラーレンは、高いという一言では片付けられない。他の追随を許さない性能と、ひときわ存在感を解き放つデザインは、富裕層の心を掴んで離さない。(ZUU online 編集部)

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