英国では2016年9月の時点で、無担保債務総額が3490億ポンド(約49兆1788億円)にまで膨張していることが、英労働組合、TUCの報告から明らかになった。

英国家統計局(ONS)のデータに基づいて算出された一世帯の平均負債総額は、英国史上最大の1万2887ポンド(約182万円)。無担保債務総額が所得を占める割合は27.4%と、過去8年間で最も高い。

英国は無担保債務だけでも過去最大規模

米国でも米家計負債は過去最高水準にまで膨張している。ニューヨーク連邦準備銀行が2月16日に発表した四半期報告によると、米家計負債総額は12兆5800億ドル(約1420兆 304億円)。2016年第4四半期の3カ月間で1.8%(2260億ドル/約25兆5108億円)の増加を記録した。

増加率は2013年以降の4半期中で最大の伸び。あと0.8%でリーマンショック直前だった2008年第3四半期の負債水準に達する。

しかし英国の負債が米国と決定的に異なるのは、米国の負債が不動産抵当負債や自動車ローン、学資ローンなどを含むのに対し、英国の負債は無担保債務のみで過去最大にまで膨れあがっている点だ。つまり英国の場合は上記の数字に、住宅ローン2849億7100万ポンド(英住宅金融組合データ、2016年12月未決済残高 約39兆7480億円)や自動車ローンなどが容赦なく圧しかかっている。さらには学資ローン負債総額1920億ポンド(BoEデータ、約27兆493億円)も追加される。

英国では今年にはいり、Brexitの影響でインフレが急加速している。「負債返済が所得では補いきれなくなるのは時間の問題ではないか」との懸念が高まりつつあるのも不思議ではない。

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