子どもの誕生は、たくさんの楽しさや喜びを家族にもたらします。同時に、子どもが独立するまでの生活費や教育費など、経済的な負担や責任が生じます。子どもの誕生を機に、加入している保障が適正かを家族で考えてみましょう。
子育てにかかる必要
子どもが誕生すると、食費や被服費などの生活費が増えます。さらに、子どもの成長とともに、幼稚園から高校、さらには大学まで、学費や習い事などの教育費も発生します。子育てには、子ども一人当たりどの程度のお金が必要になるのでしょうか。
「平成26年度「子供の学習費調査」の結果について(文部科学省)」によると、幼稚園3歳から高校までの15年間で、すべて公立に通った場合が約523万円、すべて私立に通った場合が約1,770万円となっています。どちらも前回調査時よりも金額が増加しており、今後ますます費用負担が増える可能性があるでしょう。
さらに、大学に進学する場合を考えると、文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で、国立大学は年間80万円程度が学習費となっているので、4年間で320万円程度かかります。私立大学に進学した場合にはさらに費用が増大するため、1,000万円程度は想定しておきたいものです。
とはいえ、これらの学費は成長に合わせて発生するもので、一度に必要なわけではありません。中学生までの医療費助成や、私立幼稚園児家庭への補助金など、子育て支援を積極的に行う自治体もあります。大学進学時は教育費が最もかかるため、目的に合った金融商品で計画的に準備をしましょう。
住まいや働き方で保障額を考える
最近は共働きの家庭が増えています。共働きの家庭では、結婚後もそれぞれの収入で生活する場合が多くあります。とりわけ加入した時から保険料に変化がない場合が多いため、独身時代に加入した保険のままというご夫婦も多いでしょう。
家族の生活を保険で補填することを考えるとき、住まいが賃貸か持ち家かで必要になる保障額が変わってきます。持ち家を購入して住宅ローンを払っている場合には、契約者が死亡または高度障害になると、以降はローンの支払いが免除される団体信用生命保険(以下、団信)に加入している場合がほとんどです。固定資産税や修繕費用等は発生しますが、万一の場合にもそのまま持ち家に住み続けられるというメリットがあります。一方、賃貸の場合には毎月家賃を支払わなければなりませんが、家族の変化に合わせて住まいを替えられるというメリットがあります。年間の支払い家賃金額を考えて保障金額を考える必要があるでしょう。
子どもの成長に合わせて教育費を準備する
子育てにかかる生活費や教育費は子どもが独立すれば必要ありませんから、保障が必要な期間は限られています。日々の教育費は、定期預金や積立定期等の金融商品を利用してコツコツ準備しましょう。
一方、まとまった教育費が必要になる時期としては、中学、高校、大学の進学時が考えられます。教育費を保険で準備する方法としては、学資保険(もしくは子ども保険)があります。一般的に、子どもが進学する節目にお祝い金を受け取れる仕組みの保険で、契約者に万一のことがあった場合には以降の保険料支払いが不要になります。
また、子どもの人数や年齢に合わせて保障金額を考えて、子どもの教育費を準備することも可能です。例えば、子どもの成長とともに保障金額を減らしていく逓減型の定期保険や、子どもの年齢に合わせて独立するまでの一定期間だけ、例えば10年間の定期保険を活用するなどです。家族構成や子どもの年齢に応じてさまざまな保険商品を検討できますので、夫婦で話し合っておきましょう。
怪我や病気に備える
夫婦のどちらかが怪我や病気になった場合には、治療費や入院費用が発生します。一般的に、健康保険や高額療養費という公的制度を活用できますが、万一に備えて医療保険を検討しておきましょう。
「直近の入院時の自己負担費用」について、「生活保障に関する調査・平成25年度(生命保険文化センター)」の調査によると、1日あたりの自己負担費用の平均は2万1,000円という調査結果が出ています。時には、差額ベッド代等公的制度でカバーできない費用が発生する場合もあります。公的制度でカバーできない分をすべて保険でおうと考えると、保障金額が高額になります。保障金額が高額になれば月々の保険料も高額になってしまいますから、まずは一日あたり5,000〜1万円程度の保障から検討してみてもよいでしょう。一般的に、年齢が若い間は健康な方が多いですので、夫婦で相談し、生活に無理のない範囲の保険料負担にとどめましょう。
保険料や必要期間を考えて保険を検討する
ところで、保険には終身保険と定期保険があります。終身保険では保障が死亡時まで続くため保険料は割高に、定期保険は一定期間の保障で掛け捨てになるため割安です。掛け捨てであることに抵抗感のある方もいるかもしれませんが、高い保険料を支払って日々の生活にゆとりがなくなってしまっては本末転倒です。
お葬式代として数百万円程度であれば、終身保険でもいいかもしれません。しかし、家賃や教育費、生活費というように、保障額が数千万円と高額になると支払う保険料も高くなります。支払う家賃や教育費、生活費に加えて遺族年金なども考慮して、保険を見直してみてはいかがでしょうか。(提供: 保険見直しonline )
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