東京都と京成バスは2020年東京五輪・パラリンピックの輸送手段として期待されるBRT(バス高速輸送システム)の運行会社設立を延期する方針を固めた。築地市場の移転延期で運行ルートの見通しが立たない為である。東京五輪・パラリンピック成功の為には欠かせない輸送手段となる為、速やかな計画見直しが求められる。

主要競技場や選手村と都心を結ぶ基幹ルート

BRTとは「Bus Rapid Transit」の略。東京都交通局によると、連節バス、ICカードシステム、道路改良などにより、路面電車と比較して遜色のない輸送力と機能と柔軟性を有する、バスをベースとした都市交通システムを指す。

今回計画されていたルートは虎ノ門・新橋から勝どきを経由して臨海副都心に至るルートである。2016年度中の運行会社に運行会社を設立し、2019年中の開業を見込んでいた。東京都都市整備局によると、2020年五輪・パラリンピックまでの開業を目指すとしているが、当初計画からは遅れが生じる可能性がある。

臨海副都心部には競技場が集中し、選手村も同地区内に建設される事となっている。大会の成功の為には都心と同地区を結ぶ輸送手段が欠かせない。鉄道よりも投資額が低く済む事等から、BRTが輸送計画の柱とされている。同計画は全長18メートルの連節バス(定員129人)や燃料電池バス(同77人)を想定しており、大型車両が頻繁に行き来する為に、道路の拡張や整備が必要となる。

延期の理由は築地市場問題