福岡銀行、親和銀行、熊本銀行の3行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)<8354> が、傘下の銀行2行について個別決算上の株式の減損処理を行うこと、連結決算上ののれんの一時償却を行うことを発表した。これによりふくおかFGの2017年3月期通期連結業績は、一気に548億円の赤字に転落する見込みとなった。

のれん代一括償却に踏み切る 「減損処理の影響はない」

ふくおかFGは10年前の2007年4月に福岡銀行と熊本ファミリー銀行(現在の熊本銀行)が統合した際に、持ち株会社として設立された。同年10月には、長崎に本店がある親和銀行を統合し、福岡銀行、親和銀行、熊本銀行の3行を傘下に持つ、純資産で当時の地銀グループとしてはトップのメガ地銀グループが誕生。銀行が合併によらず経営統合して地銀のブランド名を残しつつコスト削減を図るという手法は、その後各地の地銀再生のお手本になったとも言われている。

ふくおかFGは、統合後の10年間で統合時点ののれん残高1834億円のうち、累計886億円を償却済。今後約10年をかけて年間92億円ずつ均等償却する予定だったのれん残高948億円を、今期一括前倒し償却する。これにより前回2月に発表した平成29年3月期通期連結業績予想である400億円の黒字額は、548億円の赤字へと転落した。

ふくおかFGによると、「のれんの一時償却を除けば、業績は概ね予想通り推移している」とのことで、配当予測の修正は行わなかった。またのれんの一時償却により来期以降の償却負担がなくなる為、今後はその分純利益が上がり、株主資本利益率(ROE)も改善すると説明している。第5次中期経営計画最終年度の平成30年には、ROE7%以上を目指す、と計画を上方修正した。

ふくおかFGは、のれんの一時償却と同時に傘下の熊本銀行と親和銀行の株式評価損1千885億円を特別損失に計上すると発表した。これは、個別決算上の株式の減損処理に該当するが、「連結決算では消去され」、連結業績には影響しない。決算の発表自体はまだなので、詳細は不明。ふくおかFGは、今回の減損処理について、「経営統合時には想定されなかった経営環境の著しい変化、とりわけマイナス金利の影響など」と説明している。

十八銀行との合併延期はどうなるか

ふくおかFGは今年4月に予定していた長崎県の十八銀行との経営統合を10月に延期すると発表したばかり。十八銀行との経営統合に際しては、長崎県に強い地盤がある傘下の親和銀行と十八銀行を合併させる方針で基本合意していたが、「公正取引委員会における企業結合審査が完了していない」ことから、経営統合、銀行合併の延期を余儀なくされたという経緯がある。

日本経済新聞によると、長崎県における融資残高が現在一位の十八銀行と二位の親和銀行が合併すれば、長崎県内で融資シェア7割という前代未聞の寡占状態になるとの懸念が公取委にはある。公取委の判断とふくおかFGの動向は、今後、統合や再編を予定している全国の地銀が固唾をのんで見守っているはずだ。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)