東証2部、マザーズ市場から東証1部への市場変更を材料に、株価が急騰するケースが相次いでいる。

直近ではイフジ産業 <2924> が2月23日の発表後、3月8日までに株価が593円から820円に値上がりしたほか、インターアクション <7725> も1月末の昨年来高値を更新した。こうした中、諸条件を満たす「1部昇格期待株」として、エボラブルアジア <6191> などに注目したい。

上場市場の変更には約1年間の準備期間が必要とされ、マザーズや東証2部へのIPO(新規上場)から1年が経過した段階でその可能性が出てくる。例えば、LITALICO <6187> は昨年3月14日にマザーズに上場し、ほぼ1年後の今年3月17日に東証1部に昇格した。

また、東証1部への市場変更の基準としては、株主数2200人以上、時価総額40億円以上といった条件が設定されている。東証1部に上場するすべての銘柄はTOPIX(東証株価指数)の組み入れ対象となるため、市場変更に伴い指数連動型ファンドなどの機械的な買い需要が発生する。

発行体(企業)は条件をクリアするために、株式の分売や株主還元策の拡充を通して株主数を増やそうとする傾向が強い。

航空券の予約サイト「空旅」を運営するエボラブルAは、1部への市場変更申請を今年1月に行った。また、主要株主の株式売却により流動性が高まり、株主数も増加したとみられる。昨年3月31日にマザーズに上場しており、タイミングは申し分ない。

業績面でも、今9月期第1四半期の連結営業利益は2億円(前年同期比38.7%増)と堅調だ。株価は足元で13週移動平均線を下回るなど下落基調で推移しているが、1部昇格が実現すれば転換点となりそうだ。

グラビア印刷を手掛ける中本パックス <7811> も、1部昇格を狙う。昨年11月には流動性向上を目的とした株式の立会外分売を行ったほか、今年1月には株主優待制度の導入を発表した。

昨年4月21日に東証2部に上場した、業務用スーパー「ハナマサ」を展開するジャパンミート <3539> も候補の一つ。昨年7月末時点で大株主による株式の保有比率が7割を超えるなど流動性の面では難がある(1部指定の条件は、流通株式数が上場株券などの35%以上)が、流動性向上に向けた取り組み次第では1部への昇格も期待される。

このほか、FX(外国為替証拠金取引)大手のヒロセ通商 <7185> のほか、ポンプや流体制御装置を手掛けるイワキポンプ <6237> などにも注目したい。(3月22日株式新聞掲載記事)

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