保険料算定の基礎となる「標準死亡率」が11年ぶりに改定される見通しだ。各年代で死亡率が引き下げられ、死亡保険料は5~10%下がる見込みとなる。一方、医療保険料は引き上げが見込まれる。生命保険各社の動向にも注目が集まる。

男女とも全年齢で死亡率減少

日本経済新聞が3月28日報じたもの。「標準死亡率」とは年齢別、性別の死亡率であり、生命保険各社が加盟する公益社団法人日本アクチュアリー会が算定する。2018年4月の改定を見込んでおり、2007年以来、実に11年ぶりという。平均寿命は2007年と比べ、男女とも1歳以上伸び、全年齢で死亡率が減少している。特に30~50歳男性の死亡率は2割以上改善している。

改定を受け、生命保険各社は死亡保険料の引き下げを行うことになる。報道によると、10年定期の死亡保険料は5~10%程度下がると見られる。新規加入や更新を行う契約者が対象となり、既存契約の保険料には影響しない。死亡保険の新規加入や見直しが増加する可能性がある。生命保険各社にとって、保険料引き下げ自体は利益押し下げ要因となるが、それによって生まれる需要に期待する形となる。

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(写真=PIXTA)

医療保険料は引き上げ 成長分野での各社の戦略に注目

死亡保険料が引き下げられる一方、医療保険料は改定を受け引き上げが見込まれる。引き上げ幅は終身医療保険で平均5%前後となる。長寿社会を受け、医療費は増加すると見られる為である。

医療保険は「第三分野の保険」と呼ばれ、生命保険各社が注力している分野である。一般社団法人生命保険協会によると、2015年度の新規個人保険契約の内、約37%が医療・ガン保険である。保有契約件数も5年間で3割以上増加しており、今後の成長も期待される。

医療保険の引き上げは生命保険各社の戦略に大きな影響を与える。生命保険業界では足元の低金利を受け、2017年4月1日から「標準利率」が大きく引き下げられる。それに伴い、各社は貯蓄性保険の保険料を引き上げ、貯蓄性保険需要は減少する可能性が高い。

こうした状況の中、成長分野である医療保険の保険料引き上げを躊躇する保険会社が出てくる事もあり得る。2007年の前回改定時はコスト増加を保険会社内で消化し、医療保険料を据え置くケースも目立った。今回も同様の戦略をとる会社が出てくる可能性もあり、注目したい。

保険契約を考えている人も、今回の改定は注意する必要がある。医療保険料が引き上げられるとなれば、駆け込みでの契約増加も見込まれる。もちろん引き上げ前に契約したほうが保険料は安く済む。

しかし、医療保険の保障内容は幅広い為、しっかりと保障内容を吟味し、その保障が本当に必要かどうかを冷静に判断する時間を確保するべきである。安物買いの銭失いとならないよう注意したい。(ZUU online編集部)

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