独ベルリンのボーデ博物館から重さ100kg、推定価格450万ドル(約5億116万円)の巨大記念硬貨「ビッグ・メープル・リーフ」が盗まれるという事件が発生した。NBCニュースが報じたもので、3月27日のことという。

盗難の規模という点では、米美術品盗難史上最高となる500万ドル(約5億5665万円)の被害をだした、24年前のイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館の盗難事件にほぼ匹敵する。

高価な美術品を狙った犯罪は組織化しており、世界中で年間5万件から10万件の美術品窃盗が発生。FBIは美術品窃盗犯が年間60億ドルから80億ドル(約668億5200万円から891億3600万円)の利益をあげていると見積っている。

ダ・ビンチ、ムンク、ゴヤの作品も盗難の被害に

NBCニュースによると、盗まれた金貨は2007年にカナダ王室造幣局が鋳造したもので、直径35cm、厚さ3cm。英国のエリザベス2世の横顔が刻まれている。

2010年12月から展示していたボーデ博物館は金貨の価値を100万ドルと公表しているが、金100kgの市場価格は450万ドル(約5億116万円)にのぼる。警察は犯人(あるいは窃盗団)が鉄道横の美術館裏窓から侵入したと推測している。

美術館から作品が盗みだされること自体はけっして珍しい事件ではない。有名な絵画ではレオナルド・ダ・ビンチの「モナ・リザ」が1911年に仏ルーブル美術館からイタリア人の男によって持ちだされ(1913年に無事返還)、世界に4枚存在するエドヴァルド・ムンクの「叫び」は1994年と2004年の二度にわたりノルウェーのオスロ国立美術館から略奪されている(ともに無事返還)。フランシスコ・デ・ゴヤによる「ウェリントン公爵の肖像画」は1961年に英ナショナル・ギャラリーから盗まれたが、犯人が自主したことで返還された。

6億円の賞金がかかっているガードナー美術館の盗難事件