問題を起こし社会的に話題となるIT企業に、自社のシステム開発を発注して取引をしたり、投資などにより資本参加したりした場合、どのようなリスクがあるのだろうか。

「ブラックIT企業」への投資は、短期的には効果的かもしれないが……

ブラック企業,働き方改革
(写真=PIXTA)

企業体質が「ブラック」だと言われる理由はいくつかあるが、従業員にとって「ブラック」となる条件は、長時間労働、サービス残業の存在、体育会系体質などが挙げられる。

しかし、そのような会社に投資や資本参加をする場合、ひどい話ではあるがブラック企業であるかどうかはあまり関係がない。業績が伸びているとすれば、それは投資家からすれば理由を問わずに素晴らしい「ホワイト企業」である。

ただ流通や外食産業において、長時間の営業時間を見直す動きが出始め、せきを切ったように同業他社でも追従する動きが加速している現状を考えると、IT産業でも見直しの動きが出始めてもおかしくはない。

そうなると、「ブラック企業」では人を集めることが本当に困難となる。IT産業は人材不足と言われ続けており、さらに労働人口の減少を考えると「替えはいくらでもいる」と言える時代はそう遠くない将来に終わる。こうなると企業そのものが立ち行かなくなるので、投資するしないというどころの話ではなくなる。

「ブラックIT企業」にシステムを握られる危険性