遺産分割が行われる際、相続人の受け取り分を決める「遺産分割」の対象に故人の定期預金が含まれるかどうかを争った裁判で、2017年4月6日、最高裁判所は「定期預金は遺産分割の対象に含まれる」との判断を下した。判例では、預貯金は遺産分割の対象ではなく、相続人に当然に分割されるものとされてきた。2004年の最高裁の判例でも、「預貯金は法定相続分に応じて当然に分割される」とされていた。今回、定期預金も遺産分割の対象となるという判例が出たことで、遺産分割が変わりそうだ。
預金は当然に分割されるものだった
預貯金は、不動産、株式など他の財産とは関係なく、法定相続の割合に応じて相続人に分割されるものとされてきた判例が覆ったのが、2016年12月19日だ。
2016年12月の判例では、遺族二人のうち片方が故人から生前、5000万円を超える贈与を受けていた。そのため、もう片方の遺族が生前贈与を考慮せずに、預金約4000万円を2分の1ずつにすることは不公平と主張。一、二審は過去の判例通りに当然に分けることとし、訴えを退けた。しかし、最高裁はこれを差し戻し、預金は遺産分割の対象となるという判決が下った。