地政学的リスクの高まりやFRBの金融政策に対するスタンスなど不安・不透明材料が多いなかで今週末はイースターのグッドフライデーで海外市場の多くは休場、欧米投資家はイースター休暇に入る。そのロング・ウィークエンドの真ん中、15日(土)は金日成生誕105周年で軍事パレードがあるとみられている。投資家の一部はイースター休暇前にポジションを落とすなり、ヘッジをかけるなりするだろう。そうした売り圧力で今週の日本株相場の上値は重そうだ。
日経平均の下値メドとしては、昨年11月安値~今年3月高値までの上昇幅に対する1/3押し(18,482円)や半値押し(17,889円)を指摘する声が多い。一方でRSIや東証1部騰落レシオなどのテクニカル指標の一部には売られ過ぎを示すサインも点灯、一旦は底入れから反発を探るタイミングかとも思われる。日経平均のローソク足チャートは3/30以降、先週末まで7日連続陰線である。この悪い流れを断ち切りたいところである。
今週注目される経済指標は、日本では10日の3月景気ウォッチャー調査、中国では13日の3月貿易収支、そして14日に発表される米国の3月小売売上高である。先日の新車販売の伸び悩みなど米国経済のハードデータに弱いものが散見されているので注目したい。特に税還付の遅れが小売売上高に影響する可能性もあり要警戒。また、経済指標ではないが、14日にはトランプ政権が為替報告書を公表する。米政権が為替報告書で中国を為替操作国と認定する可能性は低いとの見方が強い。それは18日から始まる日米経済対話を控えた日本についても同様であろう。
今週の予想レンジは18,400-19,000円としたい。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券
チーフ・ストラテジスト
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