日立製作所 <6501> が英国での原子炉建設および運営プロジェクトにおいて必要なライセンスを英国原子力規制庁(ONR)に申請し、受理されたと発表した。

申請者は英国子会社で原子力発電事業開発会社の「ホライズン・ニュークリア・パワー」によって行われ、2019年後半の建設開始を目指す。今回の受理についてホライズン社は、「ウィルヴァ・ニューウィッド発電所の実現に向けた大きな一歩になるもの」とコメントしている。

買収から5年で大きな一歩。19カ月にわたる審査を開始

原発,日立
(画像=ホライズンWebサイト)

ホライズン社は2012年に日立製作所が子会社化した、英国の原子力発電事業会社だ。ドイツの電力会社から6億9600万ポンド(約890億円)で買収した。当時、日立製作所は東日本大震災で起きた原発事故の影響を受け、国内の原子力事業の業績を大きく失速させていた。そこで海外展開に舵を切り、活路を開く手段のひとつとして買収が行われたのだ。

今回申請が受理されたのは、改良型沸騰水型原子炉2機の建設・運用における主要なライセンスの一つだ。ONRが審査を開始し、企業や建設予定地における運営体制などについての評価が行われる。審査期間は19カ月間に及ぶ予定だ。ホライズン社の安全性・ライセンシング担当であるアンソニー・ウェブ取締役は、「安全な実現について、ONRからの信頼を得られるよう、引き続き取り組んでいく」としている。

これまでホライズン社は、2年以上の時間をかけて申請準備を行ってきた。ホライズン社にとっては初のプロジェクトだ。審査が順調に進められれば、建設開始は2019年の後半を予定。初号機運転開始は2020年代前半を目指すとのこと。

海外における原子力事業の先行きには不安点も