厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」で、人口減少は今後も進み、2053年には総人口が1億人を下回ることが指摘された。高齢化も急速に進む等、多くの問題が示唆される結果となっている。

2065年には総人口8808万人、4割は高齢者

人口減少
(写真=PIXTA)

推計によると、日本では2015年時点で1億2709万人の総人口は、2053年に1億人を下回り9924万人となる。更に2065年には8808万人まで減少する。高齢化の進展も顕著であり、老齢人口割合は2015年の26.6%に対し、2065年には38.4%へと上昇する。2065年は2015年と比べて、総人口が3割近く減少し、人口の4割は高齢者となる見込みである。社会構造はこの50年間で大幅に変化する事となる。

日本の人口減少や高齢化がこれからますます進展していく事が映し出されているが、5年前の前回調査と比較すると、ペースはやや緩やかになっている。前回調査では2048年とされていた総人口が1億人を下回る時期は、2053年へ5年後ろ倒しとなっており、2065年の総人口は前回調査の8135万人から約700万人も増加している。ここ数年の30歳から40歳代の出生率実績上昇が推計の基となる合計特殊出生率を押し上げた。

今後も出生率の上昇を目指し、政府などで様々な対策が検討されていくと見られる。しかし2015年の合計特殊出生率は1.46となっており、人口維持に必要とされる2.07にはほど遠い。今後もペースが変わる可能性はあるが、日本が人口減少へ進んでいく事は間違いない。人口動態の変化に伴った社会の変化が求められる。

人口減少社会には生産性の向上が不可欠

2053年には人口が1億人を下回る日本であるが、IMFの調査によると現状人口が1億人近辺の国は次の通りである。フィリピン(1億215万人)、ベトナム(9168万人)、エチオピア(8976万人)、エジプト(8900万人)、ドイツ(8218万人)。今後50年でこれらの国と同じような人口となるイメージである。さらに日本には高齢化という重荷が加わる。

内閣府の2014年の試算によると、人口減少が現状のパースで進み、且つ生産性も改善しない場合、2040年代にはマイナス成長が定着すると見られている。人口減少と高齢化が進む中、経済成長を続けていく為には生産性の向上は欠かせない。

IMFの調査によると、日本の1人あたりGDP(購買力平価換算)は2015年で3万8141ドルとなっている。アメリカは5万6083ドルとなっており、その差は非常に大きい。ドイツの4万6973ドル、イギリスの4万1498ドル、フランスの4万1475ドル等、他の先進国と比較しても低い。日本は生産性を高め、1人あたりのGDPを上昇させる事で、経済規模を維持、拡大していく必要がある。

人口減少と高齢化は静かに着実に進んでおり、50年後には日本の社会構造は大きく変化している。そうした変化をただ待つのではなく、変化に備え、生産性の向上を日々進めていく事が重要である。(ZUU online編集部)

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