「ワーキングマザー(働く母親)は被扶養児童のいない女性と比較して、子供一人につき平均3%時給が少ない」ということが、仏パリ・サクレー大学の調査から判明した。

最新の調査からは「50代の女性」「33歳までに第一子を出産した女性」といった、最も格差に強い影響を受けやすい層が具体的に特定されており、これまでに多数の研究機関から報告されている「男女の所得格差の根本的な原因は、女性の出産・子育てにあるのではないか」との調査結果の裏づけとなる。

「不公平で非効率的」なワーキングマザーの就労環境

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

サクレー大学の調査について報道した英BBCによると、仏民間企業従業員の過去16年にわたる所得データを分析した結果、出産・子育てを経験した女性従業員の給与が低いという傾向が見られた。男性従業員の給与が同様の理由で左右された形跡はない。

サクレー大学も指摘しているとおり、多くのワーキングマザーは所得の高さを優先させるか、労働時間・勤務地などのフレキシビリティー(柔軟性)を優先させるかという選択に直面する。

フレックス制などに代表される「家族に優しい職場環境」を提供する企業が増えているが、現実的には低賃金を意味するケースが多い。

世界的な男女所得格差が平均68%( 世界経済フォーラム2016年データ)と考えた場合、被扶養児童のいない女性よりもさらに低賃金での就労を余技なくされているワーキングマザーの就労環境は、「不公平で非効率的」な環境であると判断せざるを得ないとサクレー大学は結論づけている。

50代の女性の賃金は男性より27%低い