経済協力開発機構(OECD)が2017年4月13日に公表した対日経済審査報告書によると、日本の2017年の経済成長率は1.2%となり、従来予想の1.0%から引き上げられた。消費支出、輸出、設備投資の拡大が寄与すると見込まれる。一方で2018年の経済成長率は0.8%に据え置かれ、経済成長のペースは減速する見通しが示された。

経済成長に向け、生産性向上が課題

OECD,
(写真=PIXTA)

OECDは加盟国の経済情勢や政策動向を審査しており、対日経済審査報告書は2年に1度公表される。

同報告書では、2017年の日本の経済成長率が2016年11月時の予想より0.2%引き上げられ、1.2%となっている。株高による消費の押し上げや、円安による輸出の増加などが要因と見られる。2018年の経済成長率は0.8%と従来予想から据え置かれ、2017年と比べると成長ペースは減速すると見込まれる。消費や輸出の成長ペースが鈍化するとの見通しが示された。

直近では不安定な海外情勢を受け、円高株安傾向となっている。こうした情勢が続くようだと、消費動向や輸出動向へ悪影響を与え、2017年の1.2%の経済成長も叶わなくなる恐れもある。同報告書では海外情勢不安定化のリスクへの言及は少なく、情勢変化には注視が必要だ。

また、今後の経済成長に向けた課題として生産性の低さと雇用環境改善を挙げた。特に生産性についてはOECD上位半数諸国と比較すると、労働生産性で7割、1人あたりGDPで8割の水準に留まっている。今後高齢化の進展により、労働人口減少が予想される中、生産性改善はより強く求められるようになる。

物価見通しは上方修正 金融緩和継続を支持

同報告書では、消費者物価指数についても見通しが示されており、2017年には0.9%、2018年は1.1%と上昇が続く見通しが示された。2016年11月時の予想はそれぞれ0.3%、1.0%となっており、数値は引き上げられた。物価上昇については、日銀の金融緩和政策が大きな影響を与えているとの認識を示し、目標である物価上昇率2%を安定的に上回るまで金融緩和を継続する事を支持している。しかし同時に、金融緩和の副作用にも言及しており、出口政策が市場に悪影響を与える懸念や、低金利環境の継続による銀行や保険会社、年金基金の収益悪化の恐れも示唆した。

財政健全化についても触れており、消費増税の必要性を提言した。2019年10月に予定される10%への税率引き上げの実施を確実に行う事を求め、OECD諸国の中では低い税率となっている消費税には更なる増税余地があるとしている。更に年金支給年齢の65歳への引き上げも必要との見方を示した。

同報告書は日本の現状と課題を簡潔に纏めている。各々の課題は様々な場所で指摘されるが、一覧として纏められると、改めて日本が置かれている現状の立ち位置と課題の多さに気付かされる。次の報告書は2年後の2019年となる見込みであるが、課題の改善が進んでいる事を期待したい。(ZUU online編集部)

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