日経平均は地政学リスクの高まりなどを背景に、3月24日にそれまでのサポートであった1万9000円を割り込むと、4月15日には1万8500円割れで年初来安値を更新した。1万8500円割れは16年12月7日以来約4ヶ月ぶり。トランプラリー後の上げ幅の約4割を失った。日経平均の今後を予想していこう。
17年の日経平均の高値コンセンサス「年末2万1000円」
年末年始に証券会社のストラテジストが予想した17年の日経平均の高値予想では、大和証券の2万3000円、みずほ証券と野村證券の2万2000円などほとんどの証券会社の予想は2万1000円を超えていた。年末高予想が多かったので、市場のコンセンサスとしては、17年末に2万1000円という感じだった。
2万1000円ならアベノミクス後の15年6月高値2万952円を更新し、96年のバブル崩壊後の戻り高値を11年ぶりに更新する見通しだった。もちろん今年はまだ8ヶ月残っており、年末までに2万1000円に達する可能性が完全に消えたわけではないが、一度相場の見方を修正しておくべきだろう。
ストラテジストが高値更新の前提としてあげていたのは、米トランプ大統領のリフレ政策による世界景気の拡大期待、FRBの継続利上げで日米の金利差拡大による円安進行、日銀のETF買いと自社株買いに加え外国人投資家が買いに転じ株式需給が好転、などがメインだ。それぞれを検証してみよう。