いつ、どこで損をしているか、それを理解することが大事。
不健康であるがゆえに、病気になり治療費がかかって、仕事を休んで収入が減り、そしてお金で損をしたということならば分かりやすい。では、不健康ゆえに、少しずつ損をしているとしたら、あなたはどう感じるだろうか。

健康でないと損をする時代に

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(写真=PIXTA)

筆者が20代で営業マンをしていたころは、喫煙者は市民権を失っていなかったし、多少ふくよかな営業マンの方が顧客へのウケがよかった。

それが今では、どうだろう? ぽっちゃりとしているだけで、自己管理ができていないと判断され、さらに喫煙者となると、まるで「別の空間にいてください」というぐらい隔離されて、筆者も喫煙をしていた1990年代とは隔世の感がある。

健康志向が当然のことになりつつあるが、かくいう筆者はいわゆるメタボ体系であり、しかも長年の不摂生のせいで、生活習慣病を2つも治療している始末である。

まず「医療費」で損をすることになる

その生活習慣病の治療を始めて驚いたのは、風邪や腹痛で通院する患者と違い、生活習慣病を治療していると特別な医療費を支払っているということだ。

ある日、定期診療を終え、なんとなくレセプトを見たのだが、そこに聞いたこともない項目の医療費の請求があった。例えば、それは「特定疾患療養管理料」や「長期投薬加算」である。この2つだけで、一回の通院で870円も追加で負担していることになる(筆者のレセプトより)。生活習慣病で治療している人は、一度レセプトを確認してみてほしい。

さらに病気次第では、血液検査を毎回しなくてはいけないし、お薬代も必然的に多くなり、風邪や腹痛で病院に行く人よりも、一年間で7〜8万円ほども追加で医療費を負担することも珍しくない。

これを10年も続けてしまうと、不健康ゆえに70万円以上も医療費にお金を使っていることになる。自分が蒔いた種とはいえ、本来は支払う必要がない支出に、自分の大事な収入の一部を充てているわけで、まさに頭が痛い。

そして買い物でも損をする

また筆者はユニクロのオンラインストアをよく利用する。実店舗が近くにないわけでないが、ここ数年はオンラインストアのことが多い。なぜかというと、実店舗には私に合う「サイズがない」からだ。お恥ずかしいことである。

それゆえに、週末はスマホアプリをいじりながら、オンラインストアで洋服を買おうとすると、困ったことが起こるのだ。それは「XXLが売り切れていることが多い」ということだ。いくら筆者がふくよかとは言え3Lだとブカブカだし、XLではキツキツである。

実店舗で買えるボディサイズならば、こんな事態を招く機会も少ないかもしれないが、大きいゆえに週末の売り出しには買い損ねてしまい、結局は普通の日に買うという損な買い物をしているのだ。

最後に保険で損をする

このように「不健康だと損する」ことが多いのだが、実は生命保険の契約においても損してしまうことがあり得るのだ。

例えば、40歳男性が60歳まで、掛け捨ての死亡保険(定期保険)、保険金2000万円に加入するとする。とある保険会社のホームページで試算できるのだが、煙草と吸う人で血圧が一定基準を超える人の場合、毎月の保険料は8060円となる。

そして、同じ条件で試算するとして、煙草を吸わない人で血圧が一定基準内に収まる人は、毎月の保険料は4900円である。その差は一か月で3160円、一年間で約3万8000円の差になり、20年間で約75万円の差になるのだ。

言い方を変えると、60歳の時点で無事に死亡することなく保険期間を終えた場合、健康状態により、75万円も多くお金を支払うことになる人がいるということになる。

これを「リスク細分型」の保険商品と呼ぶ。つまりハイリスクな契約者には、多めに保険料を支払ってもらう、という保険会社の姿勢である。

この考え方には賛否両論あるだろうが、現にこうして、喫煙者や不健康な人は損するという保険商品が最近は増えてきた。数年前まではこのリスク細分型の考え方は、自動車保険の通販の世界では取り入れられていたが、最近は医療保険、終身保険、がん保険まで及んでいることは憶えておいて欲しい。

コントロールできることで損をしない

保険料だけで75万円も損するケースを説明したが、その75万円を運用や投資に充てたならば、などと考えると、もはや「不健康であることは、資産を増やせない大きな要因になる」とも言えるかもしれない。

アスリートになれるほどの体力はともかく、今回挙げた「損しないレベル」に健康であることは、多くの人にとってコントロール可能なことである。そして、コントロールできた結果、浮いたお金で資産が増やせたら、これほど愉快なことはないと思うメタボな筆者である。

石川智(いしかわ さとし) ファイナンシャル・プランナー 終活アドバイザー
オフィス石川代表 1966年高知県生まれ。トヨタ系ディーラー、外資系保険会社の営業職を経て、2010年ファイナンシャル・プランナーとして独立起業した。一般消費者向けの相談業務だけでなく、「障害者とお金」「高齢者とお金」「終活」をテーマに広く講演活動を行っている。ライフワークとして「地域福祉とライフプランニング」に取り組んでいる。

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